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逃げる海賊船を見つけて、邪魔しようとした二隻を弾き飛ばしました

結局、何故、私が隣国の王女を助けに行かなければならないんだろう?


私が改めてそう思った時には、もう船は出港した後だった。


「船があるのならば、ルートン王国の海軍が乗り込んで追っていけば良いわけで、私が行く必要はないんじゃないのかしら?」

私は呟くと、

「そんなこと言わずに頼むよ。フランソワーズ嬢。君しか頼れないんだ」

ディオが必死に言うんだけど、


「何言っているのよ。これは基本的にルートン王国とアルメリア王国の間の争いで、エルグラン王国の私は何も関係ないじゃない。また、フェリシー先生とか陛下とかに怒られるじゃない!」

「いや、エルグラン王国には重々お願いしておいたから」

王太子まで言うんだけど。


「誰にお願いしたのよ?」

「シルヴァン殿下に」

私がむっとして聞くと、王太子は答えてくれた。


「ヴァン、どういう事よ」

「えっ、義姉上が、喜ぶと思ったのに!」

ヴァンに変なこと言われるんだけど。


「なんで、私が陛下に怒られる事を喜ぶのよ」

私が怒って言うと


「えっ、今更?」

「そうだよ。姉上。あれだけ散々暴れておいて。そもそも今回の海賊団を退治したのほとんど姉上でしょ。下手な歌歌って、喜んでいたじゃない」

「更にシルビア殿下を助けるの加えても褒められこそすれ、怒られることは無いって。成功の暁には軍船を10隻お礼にくれるって言われたし」

ヴァンとジェドが言ってくれるんだけど。


「それは、まあ、そうかもしれないけれど」

私は言いよどんだ。

「海賊団の殲滅は何も考えずにやれたけど、今回は前もって考えてから行動しているから全然違うのよ」

『いつも考えてから行動してよ!』

私の言葉にヴァンとジェドに言われてしまった。


「後でフォローする私たちの身になって欲しいわ」

何故かメラニーまでここにいるんだけど。


「あんた達、船酔いは大丈夫なの?」

私が心配して聞いた。


「大丈夫じゃないけど」

「姉上だけに行かせると、どうなるか判らないだろう」

二人は口を押さえながら言ってきたんだけど。


「無理してついてこなくてもいいのに」

私は呆れて言った。


「心配だからついてきたんだろ」

そうか、ヴァン達は船酔いで苦しいのに私を心配してくれるんだ。

私はジーーンと感動した。


「そのまま姉上を勝手にさせたら、下手したらそのままアルメリア王国を征服しかねないでしょ」

そこかよ! 心配するのは!


ジェドは私の事を心配してくれたんじゃないの?


「古代龍相手に勝てるあんたの事心配しても、するだけ損でしょ」

メラニーが吐きながら言ってくれるんだけど。


船酔いで苦しんでいるのに、口の悪さは全然治らないんだから。



船には、この国に来る時に船を操船してくれた船員以外に、王太子、やディオ、ダミアンに何故かベルナルドとソニアまで乗っているんだけど。


王太子とソニアはとても気まずそうだった。


「何故あなた達も乗ってきたの?」

私はベルナルドに聞いた。


「いや、アルメリア王国に行くならば死んでいったおじい様達の恨みを、せめて奴らに一太刀、俺も浴びせたいと思って」

「えっ、そんなの? さすがにアルメリア王国にシルビアを連れ込まれたら、これだけの戦力では厳しいわよ」

「一応軍船は修理出来次第追いかけてくるように言ってあるから」

王太子がとんでもない事を言ってくれるんだけど。


「フェル、アルメリアに攻め込むのならあなた達だけでやってよ」

「えっ、フランは手を貸してくれないのか」

驚いて王太子が言ってきたんだけど


「当たり前でしょ。私が手を出したら外交問題じゃない」

「あそこまでやっておいていまさら言う?」

「はああああ? 今までは正当防衛よ」

そうだ。誰が何と言おうと正当防衛なのだ。


「ええええ!」

「海賊船ほとんど破壊したの姉上だよね」

「完全にアルメリアは義姉上を敵認定しているけど」

ジェドとかが言ってくれるけど、あんたらは海に向かって吐いていればいいのよ。余計な口出しを吐きながらしない!

私が睨みつけるけど、全然効果はない。


「演劇の恨みを晴らさないと」

メラニーまで言うんだけど、あんたはその為に乗り込んで来たのかい!


メラニーがいるのがおかしいと思ったのだ。

ひょっとして、元王子と王女を乗り込ませてきたのはメラニーなの?

私はギョッとしてメラニーを見た。

メラニーなら、そのまま革命起こして乗っ取りかねないんだけど。


「ちょっと、私はアルメリアまで行くのはいやよ」

何故かいるピンク頭が叫んでいるんだけど。誰よ、こいつも乗せたのは?

船酔いで吐いているピンク頭なんて邪魔になるだけじゃないの?



「フラン様、敵影見えました」

その時、見張りのベニートが教えてくれた。私は気持ちを切り替えた。


メラニーと一緒にアルメリアに行ったら、絶対に革命の手伝いさせられる。それは絶対に面倒だ。メラニーのことだから、自分が煽っておいて、後の全責任を私になすりつけるなんて平気でやりそうだし。


何としてもここでケリをつけないと。


「船長、全力で追って」

「了解!」


私は風魔術で船を加速させる。


「海賊船、二隻こちらに向けて反転してきました」

「盾になって追いかけるのを邪魔するみたいですぜ」

横で船長が言ってくれた。


「良いわ、そのまま突っ込んで」

私はそう指示すると、船首に立った。


二隻が組んでこちらに迫ってくる。


正面からこちらにぶつかる気満々みたいだ。


「奴らは船首の鉄板で、こちらにぶつけて沈めるつもりですぞ」

船長が叫んできた。敵は腐っても海賊船。船首には鉄板で強化してあるみたいだ。

それで正面からこちらにぶつかって沈めようということなんだろう。


「ふんっ、甘いわ」

私は剣を抜いた。


敵船二隻が団が急激に大きくなる。


「喰らえ」

私は魔道剣を抜くと、斜めに剣を振り抜いた。


船二隻を斜めに叩き斬っていた。


そして、障壁を張った船首で突っ込む。

二隻の船は私の障壁にぶつかったその瞬間に粉砕していた。



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