表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

146/319

クラス対抗戦はやはり入賞できませんでした

遅くなってすいません!

本日もう一話更新します

「只今より、クラス対抗演劇祭り。表彰式を行います」

アナウンスがあった。


場所は講堂から中庭に移り、立食形式の後夜祭が始まろうとしていた。



まず、学園長の長い挨拶があった。

そんなのはどうでもいいんだけど。

でも、ここでなにか言うと、またフェリシー先生のお小言が始まるので、私は静かに黙っていた。


「では、これより、順位を発表します。

1年生第三位はD組の『海賊なんか許さない』でした」

「おおおお!」

「やったー」

アナウンスの声とともにD組が盛上っている。


「ええええ! あれって私の海賊退治そのまんまよね。著作権料が欲しいくらいだわ」

「まあまあ」

横のメラニーもこの時はまだ余裕があった。


「第二位はA組の『ルートンの薔薇』でした」

「おお」

パチパチ。

A組は一位を取れなかったので、盛り上がりはもう一つだった。


あれターザンは?


あれがベスト3に入らないはずはない。


やっぱり我がクラスの中途半端に終ってしまったから、駄目だったんだ。

私はそう思った。

メラニー達は祈っているんだけど。無理だって!


「では、栄えある一位の発表です。第一位はC組の『ターザン』でした」

「やったー!」

「おおおお!」

C組の面々は手を挙げて、ハイタッチしたりして喜んでいる。

抱き合ったりしてもう、凄い興奮状態だ。


対する我がE組は深海に沈んだようになっていた。私を筆頭に……


「やっぱり、最後に先生に怒られて終わったのが、最悪だったのよ」

私はがっかりして言った。


「そ、そんな、あそこまでうまく行っていたのに」

メラニーがブツブツ言っている。


「アルメリアの野郎覚えていろよ」とか、何か物騒なことをブツブツ言っているんだけど。

ちょっとこれはまずくない? メラニーが心血注いだ劇が評価されなかったのだ。本人はアルメリアのせいだと言っているけど、ターザンに勝つのは中々難しかったのではなかったかと私は思うんだけど。


メラニーの怒りようを見ると、私達の帰りの船のコースがいつの間にかアルメリア王国になっているかもしれない!


このメラニーの怒りようならやりかねないんだけど。


アルメリアは馬鹿だ。メラニーの怒りを買うなんて!


メラニーは私と違って根に持つタイプだし、腹黒だ。

私は絶対にメラニーの怒りを買いたくない!


私は国際問題は起こすなって言われているのにどうしてくれるのよ!


私のストッパー役の1人が壊れちゃったんだけど。

メラニーにやれって言われたら、後のことが怖くてやるしかなくなるんだけど……



「そして、皆さん。ここに特別賞があります」

何だろう、特別賞って?

碌でもない賞のような気がした。



「演劇の最中にアルメリア王国の襲撃を受けて、それを撃退されたフランソワーズ嬢にルートン特別勲章を後で陛下より授与していただきます」


何か勲章もらっても順位が変わらないんなら一緒じゃないかと私はもう一つだった。既に一つもらったし。それが2つになった所で何になるんだろう?

それだけでなくって、ルートン王国の永住権が与えられてるって言われても、別にこの国に住まないし、たまに遊びに来るのは良いけれど。



皆は「フラン、すごいじゃない」

「おめでとう」

とか言ってくれるけれど、私はそれがどうしたって感じなのだ。

どのみちならばそれで一位にしてほしかった。


まあ、演劇がターザンに比べてイマイチだったから仕方がないか。

と思わないでもなかったが。



そして、成績優秀クラスが壇上に上がった。


私も呼ばれて最後に端に上がった。


クラスの皆と一緒じゃないからもう一つだった。


「あれ?」

そして、私は一年A組にシルビアの姿がないのに気付いた。

あの目立ちたがり屋で、嫌味なシルビアがいない。私を馬鹿にする折角のチャンスにいないのだ。

あり得なかった。あいつは風邪で熱をだそうが、絶対にいると思ったのに。

代りにディオとソニアがいるんだけど。なんでだろう?


「ではまず第一位の一年生C組から」

口笛が鳴ってC組の皆飛び上がる。私もそうしたかった。


「ありがとうございます」

表彰状を受け取って二人がお礼を言う。


「フラン様の活躍をそのままパクらせていただきました」

「ありがとうございました」

代表の二人がまたしても私に土下座せんばかりの礼をしてくれるんだけど、もう止めて!


「第二位、1年A組」

「ありがとうございます」

ディオとソニアが受け取っていた。シルビアはどこに行ったんだろう?


そして、三位のD組の後に私は名前を呼ばれて


「アルメリア王国の暗殺者共の襲撃を撃退して捕獲に協力頂けたとこと感謝の言葉もない」

陛下から勲章を渡されたのだ。


私は愛想笑いして勲章を受け取った。なんかメラニーの視線が怖いんだけど。この勲章後でメラニーに渡したらそれで許してくれるだろうか?

あれ、遠目にメラニーの手のシナリオがぐしゃぐしゃになっているんだけど……

後が怖い……


私はクラス対抗戦で勝てなかったことがとても残念だった。


そして、これで終わるはずだったのだ。


この後、あんなことが起こるなんて思ってもいなかったのだ。

表彰式はまだ続きます。

何が起こるのか?

続きは今夜更新予定です

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いてありがとうございます。

【コミックシーモアで電子書籍化】

『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


このお話がコミックシーモア様で電子書籍として先行配信中(シーモアへのリンク)https://www.cmoa.jp/title/1101429725

お義兄様とエリのダンジョン冒険の2万字の新規書下ろしとシーモア特典ss付
表紙画像

表紙画像
「次にくるライトノベル大賞2023」https://tsugirano.jp/
に皆様の応援のお陰でこの私の書籍がノミネートされました。
なんと上から5つ目に!

【この話が書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』

全国1200以上の書店にて発売中です。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。

■アマゾンへのリンク


■楽天ブックスへのリンク


■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

つぎラノエントリー記念としてフランの子供時代の話書き出しました

新作

『小さいフランの大冒険『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません外伝』魔物も王子様も魔王だって怖くありません。でも、王妃様とマナーの先生は苦手かも……』

https://ncode.syosetu.com/n6598im/
私の

次の小説

はこちら!

『推しの悪役令嬢を応援していたら自分がヒロインでした』

https://ncode.syosetu.com/n2714ht/

前世でいじめられていたシルフィは、ゲームの中で悪役令嬢タチアナに助けられたのだ。そして、そのゲームの世界に転生したと知った時からタチアナの力になりたいと思っていた。ゲームでは悪役令嬢タチアナは婚約者に近づくヒロインを虐めて修道院送りになってしまうのだ。でも、いきなり入学式でタチアナと婚約者に会ってしまったシルフィは、ゲームの中でしか知られていないタチアナの恥ずかしい秘密をバラしてしまい、二人に驚かれてしまうのだ。そんな中、シルフィが面白いと上級生のアルに興味を持たれてしまい、大変なことになっていく。シルフィも知らない秘密もあってそれが判明した時にのっぴきならない状況に追いやられるシルフィのシンデレラ物語。
時計の鐘が12時を打つ時にシルフィの未来はどうなる?
今回もハッピーエンド目指して頑張ります!
私の最近

完結した小説

はこちら!

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』

https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

【新作】

始めました!

『聖女として召喚されたのに王宮を追放されて我儘貴公子の奴隷にされました。でも、いつの間にか溺愛されるシンデレラストーリー』https://ncode.syosetu.com/n6661in/

新作


『転生したら地味ダサ令嬢でしたが、助けてくれた王子様に恋してしまいました。』

https://ncode.syosetu.com/n9394ik/
前世病弱のヒロインが地味ダサ令嬢(平民)に転生して王子様に助けられて恋してしまう話です。身分差を持ち前のパワーで知らぬ間に弾き飛ばす物語になる予感が……

そのサイドストーリーがこちら


『転生したヒロインのはずなのに地味ダサ令嬢に脇役に追いやられてしまいました』

https://ncode.syosetu.com/n3874il/
実は地味ダサ令嬢の親友がヒロインでしたと言うお話です。地味ダサ令嬢の凄まじいばかりの行動力の前に翻弄されるヒロインのお話です 私の

一番の大作小説

はこちら!

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』

https://ncode.syosetu.com/n8911gf/

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ