表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

145/319

演劇最終日 多くの人間をスカウトしました

私は私に対するいろんな陰謀が進んでいることなんて全く知らなかった。アルメリアも襲撃が失敗したので、しばらく静かにしていると思ったのだ。




そして、今日は3日目、演劇の最終日だ。3年生の全演劇の後に表彰式がある。


私が一番気になっていたのは、私たちの演劇の事だ。


そもそも私達の演劇、途中でアルメリアに襲撃されて終わっているんだけど、これってどうなるんだろう? 

アルメリアの影の襲撃の後で、フェリシー先生が乱入してきて、何故か私が怒られだして、そのまま皆逃げ出して終わってしまったのだ。


襲撃だけだったら私が高笑いして悪役令嬢は無敵で終わらせられたのに、最後は先生の叱責を受けて終わりって絶対に様になっていない。無様な終わり方だ。

悪役令嬢よりも礼儀作法の先生の方が強い物語なんて聞いた事もない。

本当に何時もフェリシー先生には邪魔されてばっかりだ。

まあ、王妃様もフェリシー先生には弱いみたいだから、ひょっとして王宮で一番強いのはフェリシー先生なのではと思ってしまう。

襲撃犯の首班を肘鉄の一撃でダウンさせたし……



それは置いておいて、私たちの演劇の結果だ。


担任のウェスカ先生に聞いても「さあ、どうなるんでしょうね」

で、終わってしまったし、フェリシー先生には怖くて聞けない。

また、怒り出すと問題だし、メラニーに聞いたら、

「なんとかなる様になるしか無いわよ」

とどうしようもない回答しか返ってこないんだけど。


これもそれも全部アルメリアのせいだ。


今回の件で失格になっていたら、いっその事、帰るついでに攻撃してやろうかしらんと昨日は思わず思ってしまった。


アルメリア王国の海岸線をルブランの旗と私の似顔絵を帆に書いてウロウロしたら攻撃してこないだろうか?


敵から攻撃してきたらしめたものだ。


専守防衛の言い訳の名の下でついでに王宮を破壊すれば良いんじゃないだろうか?


私はそう思うほどに怒りが大きくなっていたのだ。昨日までは。


うーん、でも、今日になって冷静に考えると、あのまま演じきってもC組のターザンには負けてしまったのではないだろうか?


メラニーによるとあんな笑いだけの軽い演劇には絶対に負けないと言いきっていたけれど、ムカつくことにあの演劇の評判は生徒には高いのだ。


クラス対抗戦は面白くないことに学年内でしか順位を決めないそうだ。


でも、私が見る限りは全学年でやったとしてもムカつくことにターザンがトップなんだけど。


どのみち勝てないなら、仕方がないかと諦め半分になっていたのだ。



今日の三年生は、さすがに最上級生なだけに、まともな演劇が多かった。


ミュージカルまであって笑えた。

もう少し練習しないとミュージカルでなくて喜劇になっていたけれど。それを狙ったのかもしれないが、C組のターザンには負けている。


3年生はE組から順番に演技して、王太子のいるA組は最後だった。


A組は海賊国から逃げてきた王女を王太子が助けるところから話は始まる。

うーん、これも今のそのまんまなんだけど。


いいのか? アルメリアに喧嘩売って。と思わないでもなかった。


二人は徐々に愛を深めていくのだが、そこに海賊国の圧力がかかるのだ。

群臣は海賊国の要求をのんで姫を渡せと言うが、王太子は頑なに、それを拒否するのだ。

今もアルメリアの圧力を受けているのかもしれない。ジェドからはそれに似たことを聞いていた。



そして、しびれを切らして海賊国が攻撃をかけてくるのだ。

この前の演劇の時みたいに。


宮殿に火が放たれて、


「殿下」

「姫」

二人は最後は炎の中ひしっと抱き合って死んでいくのだった。


「な、なんて悲しい話なの」

私は目に涙を溜めて言った。でも、後から後から涙が流れてる。


「ちょっとフラン泣いているの」

ぎょっとした顔でメラニーが見て来た。


「だって、可哀想なんだもの」

私は泣きながら言った。


「ちょっとこんな事で泣いていてそれで未来の王妃が務まるの?」

「良いじゃない。私は嬉しいことは喜ぶし、悲しいことは悲しむのよ」

「時には涙を飲んで見捨てないといけないときもあるでしょ」

「何言っているのよ。私は臣民は誰ひとり見捨てないわよ。見捨てるくらいなら王妃なんて辞めるわ」

私がはっきりと言い切ると、

「フラン様。凄いです。私一生涯、フラン様についていきます」

イネが泣いていってくれるんだけど。


「わかったわ。イネのことは私の目の黒いうちは面倒は見るわ」

「ちょっとフラン、何他国の人間の面倒まで見るなんて言っているのよ」

「だって、私、もうイネのこと見捨てられないわ。何かあったら我が家にいらっしゃい。どんな事があっても守ってあげるから」

私は言い切ったのだ。


それを見て、

「フラン、じゃあ俺も」

「私もよろしくお願い」

「良いわよ。アドが反対するわけ無いと思うけど、反対したら最悪我が領地に住めばいいのよ。家くらい準備してあげるわよ」

私の言葉にメラニーが頭を抱えているんだけど。


「あんたね。勝手に他国の人間スカウトしているんじゃないわよ」

「良いじゃない。土地はいっぱい余っているんだし」

私はあっけらかんと言っていた。


特に魔道具工房のガスペルとドミンゴは出来たら欲しい。あの魔道剣が私は欲しいのだ。

他にも色々作ってくれそうだし。テオドラのお菓子も捨てがたいんだけど。


私は勝手な胸算用をしていた。



ここからラストに向かって突っ走ります!

次の更新は明朝です。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いてありがとうございます。

【コミックシーモアで電子書籍化】

『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


このお話がコミックシーモア様で電子書籍として先行配信中(シーモアへのリンク)https://www.cmoa.jp/title/1101429725

お義兄様とエリのダンジョン冒険の2万字の新規書下ろしとシーモア特典ss付
表紙画像

表紙画像
「次にくるライトノベル大賞2023」https://tsugirano.jp/
に皆様の応援のお陰でこの私の書籍がノミネートされました。
なんと上から5つ目に!

【この話が書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』

全国1200以上の書店にて発売中です。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。

■アマゾンへのリンク


■楽天ブックスへのリンク


■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

つぎラノエントリー記念としてフランの子供時代の話書き出しました

新作

『小さいフランの大冒険『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません外伝』魔物も王子様も魔王だって怖くありません。でも、王妃様とマナーの先生は苦手かも……』

https://ncode.syosetu.com/n6598im/
私の

次の小説

はこちら!

『推しの悪役令嬢を応援していたら自分がヒロインでした』

https://ncode.syosetu.com/n2714ht/

前世でいじめられていたシルフィは、ゲームの中で悪役令嬢タチアナに助けられたのだ。そして、そのゲームの世界に転生したと知った時からタチアナの力になりたいと思っていた。ゲームでは悪役令嬢タチアナは婚約者に近づくヒロインを虐めて修道院送りになってしまうのだ。でも、いきなり入学式でタチアナと婚約者に会ってしまったシルフィは、ゲームの中でしか知られていないタチアナの恥ずかしい秘密をバラしてしまい、二人に驚かれてしまうのだ。そんな中、シルフィが面白いと上級生のアルに興味を持たれてしまい、大変なことになっていく。シルフィも知らない秘密もあってそれが判明した時にのっぴきならない状況に追いやられるシルフィのシンデレラ物語。
時計の鐘が12時を打つ時にシルフィの未来はどうなる?
今回もハッピーエンド目指して頑張ります!
私の最近

完結した小説

はこちら!

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』

https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

【新作】

始めました!

『聖女として召喚されたのに王宮を追放されて我儘貴公子の奴隷にされました。でも、いつの間にか溺愛されるシンデレラストーリー』https://ncode.syosetu.com/n6661in/

新作


『転生したら地味ダサ令嬢でしたが、助けてくれた王子様に恋してしまいました。』

https://ncode.syosetu.com/n9394ik/
前世病弱のヒロインが地味ダサ令嬢(平民)に転生して王子様に助けられて恋してしまう話です。身分差を持ち前のパワーで知らぬ間に弾き飛ばす物語になる予感が……

そのサイドストーリーがこちら


『転生したヒロインのはずなのに地味ダサ令嬢に脇役に追いやられてしまいました』

https://ncode.syosetu.com/n3874il/
実は地味ダサ令嬢の親友がヒロインでしたと言うお話です。地味ダサ令嬢の凄まじいばかりの行動力の前に翻弄されるヒロインのお話です 私の

一番の大作小説

はこちら!

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』

https://ncode.syosetu.com/n8911gf/

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ