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演劇対抗戦2 メラニーが急遽脚本を変えて何故か私が主人公になってしまいました

「な、何なのよ、あれは!」

お昼休みになっても、私はC組のターザンに完全にプッツン切れていた。


「いやー本当に最高だったよな」

「本当に! 最後に全員丸坊主で出てきたのが凄かったよ。エルグランデはフランを怒らせたらみんな丸坊主になるんだ」

「そんな訳ないでしょ」

ドミンゴとガスペルの声に私がムッとして言い返すと


「でも、中央騎士団の全員、丸坊主になっていたぞ」

アルマンが言わなくて良いのに、余計な事をばらしてくれた。


「やっぱり」

ガスペルらが皆、頷いてくれるんだけど。


「それで、やっぱりフランに謝るのは土下座で決まりなの?」

テオドラまで聞いてくる。


「だから違うって」

「でも、この前、あなたの国の王太子殿下も土下座していたけれど」

「いや、だからあれは……」

私が必死に言い訳しようとするのに、

「王太子殿下はいつもだよ」

アルマンがまた、余計な一言を言ってくれた。


「さすがフランだよな。自国の王太子にいつも土下座させているなんて!」

「エルグラン王国内では、向かう所敵無しなんじゃないの?」

ガスペルとテオドラが感心してるんだけど。


「そんな事無いわよ。フェリシー先生や王妃様にはいつも礼儀作法がなっていないって注意されているし」

「でも、それだけじゃない、もうほとんど無敵ね」

「そうかな?」

グレースのところのラクロワ家は敵対しているし、ピンク頭やその系列も私に反発してくるし、そもそもクラスの皆もこんな感じなのに……


「よし、出来た!」

そこまで珍しく話題に入らずに、必死に何か書いていたメラニーが立ち上がったんだけど。


「どうしたの?」

私が聞くと、

「このままでは私達はC組のターザンには勝てないわ!」

いきなりメラニーが言い出したんだけど。


「どうするのよ?」

テオドラが聞いた。


私は不吉な予感しかしない。


「最後の結末を変えたわ」

メラニーが今、書き上げた紙を取り出した。

そして、全員に配り出す。


「おいおい、今から変更するのかよ」

アルマンが文句を言うが、

「仕方がないじゃない! これも勝つためよ」

メラニーが言うんだけど。


「ええええ! 何なのよ、これは!」

脚本を読んだ、私の悲鳴が響いた。


「今からこれで練習するわよ」

メラニーが言うのだが、

「だってこれ、主人公、私に変わっているじゃない!」

シナリオを読むと断罪されて南の島に流されるはずの私が、怒りの余り魔王になって勝つ事になってしまうのだ。


ちょっと、何よ、これは!


「ターザンの流れでこうなったのよ! さっ、時間無いから、皆やるわよ!」

メラニーはさっさと始めようとするんだけど、本当にこれで良いのか?

そもそもターザンの流れって何なのよ? 皆が丸坊主になって私に土下座していた事なんだろうか?

それから連想するに碌なことではないように思う。


何か、ヒロインだったイネが涙目なんだけど。

それとセブリアンが青くなっているんだが、何故に?


「大丈夫? イネ!」

私が落ち込んでいると思われるイネに聞くと、

「フラン様が主人公になられるのは問題ないんですけど、魔王になるのはないんじゃないですか?」

少し怒ってイネが言うんだけど。私が悪の権化魔王になるのが許せないらしい。

そこかよ! 怒っているのは? 私は思わず思ってしまった。


「いやいや、それよりもいきなりフランが主人公ってのは唐突すぎないか?」

「良いのよ! 他クラスで散々フランの事演じてくれたんだから、フランがいかに強いかは、もう表せているもの」

アルマンの言葉にメラニーが言うけれど、そんなものか?


と言うよりも私は魔王になっても当然だと周りに思われているわけ?


この虫も殺さない、か弱い乙女が!

私がそう思った時だ。


「フラン! 思ったことが言葉に出てるわよ」

テオドラが指摘してくれた。


「何が虫も殺せないか弱い女だよ。お前ならドラゴンでも倒せるよな」

「何言っているのよ。私はギャオちゃんを殺したりしないわよ」

「えっ、ギャオちゃんて?」

私の言葉にガスペルが聞いてきた。


「フラン所のペットだよ」

「ギャオちゃんてでっかい犬か何かなの?」

テオドラが聞いてきた。


「魔の森の主だった龍だ」

「ええええ!」

「フランって古代龍をペットに飼っているの!」

「嘘でしょ。古代龍って、絶対に人には慣れないんじゃ無いの?」

皆驚いて私を見た。


「母が手懐けたのよ」

私は種明かしをするが。


「フランのお母様ってどんな人なの?」

「知らないの? 破壊の魔女よ」

メラニーが答えてくれた。


「ええええ!」

「うそ!」

「あの帝国の皇帝を燃やしたって言う?」

皆唖然と私を見ているんだげど。


「噂で聞いたわ。娘に手を出したから許さないって帝国の王宮に乗り込んで、王宮を灰塵と化したんでしょ」

「怒りの余り、草木1本すら残らなかったって」


「ええええ! フランってそのお母さんの娘なの?」

「お母様が、破壊の魔女だなんて! 魔王の娘よりすごいじゃ無い!」

何かめちゃくちゃ言われているけれど。


「でも帝国が手を出してきても、フランなら一撃なような気がするけど」

ボソリと、ガスペルが言ってくれた。


「本当よね。そう簡単にフランはやられないと思うけど。フランはなにされたのよ?」


「何か、帝国辺境一の魔術師が勝負を挑んできたわ」

「そんなに強かったの?」

「そんな訳ないだろ。フランと比べるのが可哀そうだぞ」

アルマンがとんでもないこと言うんだけど。ちょっと、その時はアルマンはいなかったよね、その場に。


私がムッとして睨みつけたのだが、


「さあさあ、おしゃべりはそのくらいにして、時間がないからやるわよ」

メラニーが言い出した。


「ええええ! 私魔王の役なんか嫌だ」

「何我儘言っているのよ」

「魔王役なんかやってお嫁に行けなかったらどうするのよ」

「何言っているのよ。アドルフ殿下が喜んでもらってくれるわよ」

「いいな、フランは婚約者がいて」

「フランはあんな化け物みたいなのに、嫌われないなんて」

「凄いよな。殿下ももの好きだよな」

「あんたらなにか言った」

私がガスペルらにピキッと切れて言うと、


「そう、フラン、その顔よ。まさに魔王って感じよ」

メラニーが一言でまとめてくれて、


「えっ、いや、だから魔王は嫌で……」

「さあ、始めるわよ」

私の意見は全く無視してメラニーの練習が始まってしまったのだ。


セブリアンが何故蒼白になっていたのかは結局聞けずじまいだった。


ここまで読んで頂いて有難うございました。

ここから山場が続きます。

この章の終わりまで、突っ走ろうと思いますので、よろしくお願いします。


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