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ルートン王太子視点 なんとしても公爵令嬢を手に入れようと思いました

ここまで読んで頂いて有難うございます。

お忙しい中、誤字脱字報告、感想、良いね等して頂いた方本当にありがとうございます。

ブックマーク、広告の下の評価を★★★★★にしていただけた方には感謝の言葉もございません!

俺はルートン王国の王太子、フェリペ・ルートンだ。


ルートン王国は一千年もの歴史があるこの世界で一番古い王国だ。

由緒正しい王国だとか、昔からある唯一の王朝だとか良いように言えばそうかもしれないが、内実は古く腐りきった王国だった。


人口二千万人の中に、貴族の家の数が1800家近くもあるのだ。当然顔と名前は一致しない。

その家族も入れると貴族は一万三千人くらいもいるのだ。二千万人の中の高々一万三千人、人口の0.07%だ。

たかだか0.07%というなかれ。准男爵家には領地はないが、男爵以上には領地がありその下には多くの使用人がいる。彼らは基本は生産性がないのだ。言い換えると農家や工人に養われているのだ。

我が国の75%は農民で、商業従事者とその家族が3%、工房従事者とその家族が4%の合計82%で残りを養っているのだ。

その18%の中には兵士とその家族が14%もおり、それら全てを82%で支えている。

これは中々大変な数字なのだ。


隣国のエルグラン王国は新興国だとか、我が貴族たちは馬鹿にするが、人口は同じ二千万人だが、貴族とその家族の数は五千人もいないのだ。0.025%未満だ。我が国の三分の一なのだ。


その上、貴族の家族を1家7人と考えて計算したが、我が国は大家族主義、父の兄弟やその子供達、祖父の兄弟やその孫たちまで入れると多いところで下手したら一家族、貴族は100人くらいいる計算になるのだ。

准男爵家の収入では到底それだけはまかないきれないから男爵以上の貴族の家だと思うが、由緒正しい家柄とか、古くからある貴族ほどその傾向が強くて、家計は火の車だ。


それは王家にも言えていて、次々に分家していった結果が公爵家や侯爵家がエルグランに比べて三倍以上いるこの現実だと言うことも言えた。


我が国では王位継承権が100位くらいまであるのだ。


もう、メチャクチャだった。


古くからのしがらみも多く、中々思い切った政策も実行できない。


どんどんどんどん悪化していく財政と貴族ばかり生み出す体制はいずれ破綻するに違いないと私でも判っていた。


そして、目下の最優先課題は、20年前に反乱で成立したアルメリア王国に対する対策だ。


新アルメリア王国は表には出していないが、海賊を支配下において、国内は恐怖政治で支配していた。秘密警察が跋扈して反体制派を次々に投獄していくのだ。


それは良くないと思いつつ、独裁国家なのに国内総生産は急激に伸びていた。いや独裁国家だからこそかもしれない。彼らは安い賃金で国民を働かせて作った安い魔道具などで、我が国の市場も脅かしていたのだ。


その上、貿易の収入が大きかった我が国の交易船をもアルメリア王国の意を受けた海賊船が襲うようになって、国力は急激に奪われているのが現状だ。


もう、現実には新興国だとエルグランを見下している余裕など無いのだ。


エルグランは豊かな農業国家で、我が国のように交易にはあまり力を入れていない。


それに我が国と違って、大半の人が魔術が使えて、魔道具をあまり必要としていないのだ。


特に貴族が。


我が国はエルグランから多くの農作物を輸入していたが、それを運ぶのは我が国の交易船なのだが、近頃は襲われる船も増えて、我が国の被害が大きくなっていた。


海軍を増強してアルメリアにはあたっているのだが、全ての船を護衛するにはいたっていなかった。


そんな中、エルグランの公爵令嬢が1人でこの沿岸を荒らし回っていた赤髪のジャックを捕まえてくれたのだ。


海賊も最近は魔術師が乗り込んでいるのだが、それを一人で蹴散らしてくれたのだ。


彼女の母は破壊の魔女として帝国の皇帝さえも半殺しにした最強魔術師だ。


彼女もその力を十二分に引き継いでいるらしい。


我が国に、出来たら王族に欲しい人材だった。


彼女の血が我が王家に入れば我が王家も強力な魔力を持つ王家に生まれ変わり、アルメリア王国も手出しができなくなるだろう。


国王や大臣らはなんとしてでも、口説けと言い出したのだ。


だが私には元ルートン王国の王女の婚約者がいるのだ。


そんな事は出来ないと私は蹴っていたのだ。


しかし、あろうことか、アルメリア王国は息子の嫁に我が妹のシルビアを求めてきたのだ。それも強硬に!


あのような野蛮な国に、私のかわいい妹をやる訳にはいかない。


ここは私が婚約者のソニアを諦めさえすれば良いのだ。


私さえ、可愛いソニアを諦めて……そうだ。諦めさえすればよいのだ。


私はフェリペという個人である以前に王族で、ルートン王国の国益となるために生きなければいけないのだ。そのためには恋などという物を相手には期待してはいけないのだ。



私は自分さえ諦めて、強力な魔力を持つフランソワーズ嬢にアプローチすれば、なんとかなると思っていたのだ。


なにしろフランの相手はあの女たらしのアドルフだ。顔良し、性格良しの私が一言甘い言葉をかければ、いつも冷たくされているフランソワーズ嬢はすぐに私になびくと思っていたのだ。


でも、いくら甘い言葉をかけても、全くフランソワーズ嬢は私に靡かないのだ。


おかしい。アドルフはそんなにフランソワーズ嬢を大切にしていないはずだったのに。


以前会った時はそうだった。


どちらかというとアドルフは邪険にしていた様に見えたのだ。女を何人も侍らせていた。


今回来た時は何故か必死に機嫌を取ろうとしていたが、そんなに相手にされていなかったはずだ。


私が甘い顔をすればイチコロだと思っていたのに!


フランソワーズ嬢はメラニーとかいう男爵令嬢とオーレリアンというアドルフの側近とアルマンという平民の騎士とつるんで、あろうことか、我が国の平民達と必死に交流を持ち出したのだ。


俺には全く理解できなかった。

俺は准男爵や男爵とさえほとんど交流は持たない。みんな王太子の俺には必死に話しかけようとしてくるが、俺自身が交流を持つことは無い。なのに、俺様がわざわざ時間をつぶして話しかけているのに、俺様を無視して平民どもと話しているのだ。


この俺様が話しているのにだ。


平民と付き合って何が面白いのだろうか?


俺には全く理解できなかった。


そのフランが、平民が攫われた時の慌てようはすごかった。


高々平民の女が攫われただけなのに、すぐに捜査してくれと言ってきたのだ。


すわこれを解決したら、俺にすり寄ってくれるかもしれないと、俺は少し期待してやろうとしたのに、俺だけ蚊帳の外で完全にフランソワーズ嬢達が解決してしまったのだ。

ついでに我が国の不満分子も捕まえてくれた。


それを知った国王からは絶対にものにしろと厳命を食らうし、私もぜひとも欲しいと思ってしまったのだ。


しかし、アドルフを真似て土下座せんばかりに謝ってみたが、それでも全然だめだった。


父の国王からはやいのやいの催促されるし、フランソワーズ嬢からは冷たくされるし、ソニアからは涙目で見られるしで、本当にもう八方塞がりなんだが。


でも、やるしか無いのだ。


俺は最後の手段に出ることにしたのだった。


王太子はフランに相手にされることはあり得るのか?

結果は少し先です……



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