表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/319

王子は花束をくれて謝罪してきましたが、その後聖女とイチャイチャして私は切れました

ここまで読んでいただいてありがとうございます。

日間恋愛異世界転生ランキング第6位になりました。これも応援していただいている皆さんのおかげです。ありがとうございます。

前日遅くまでメラニーと断罪対策していた私は、次の日の朝は少し寝ぼけていた。

結局メラニーと思いついたのは、できる限り危険な所には近寄らないということで、アドとピンク頭に近寄らないようにしようということだった。


幸いなことにE組は他の教室からは離れていて、アドの2年生のA組とも、聖女の1年A組とも離れているし、貴族用の食堂と一般食堂も離れているので、会おうとしなければ会わないという結論に達したのだ。


しかし、メラニーとノエルと一般食堂に行くと、一般食堂の入り口に見た顔が花束を抱えて立っていたのだった。アドが花束持っているなんて初めて見た。私には彼岸花しかくれなかったのに、どういう事だ。私は少しムッとした。


そして、完全に頭が起きていたらさっと隠れたのだが、半分寝ぼけていたので、隠れるのが少し遅れた。

慌ててメラニーの影に隠れたのだが、少し遅かった。

アドがこちらに歩いてくるのが目に入った。何故こちらに来る?



「やあ、メラニー・バロー男爵令嬢とノエル・ハーベイ令嬢だよね」

「は、はい」

「左様でございます」

爽やかなアドに二人は完全に呆けていた。まさかアドが名前を知ってくれているとは思ってもいなかったのだろう。アドの記憶力は抜群で、こいつはおそらく生徒全員の顔と名前を一致させているのだ。私には絶対に無理なんだけど・・・・


「いつも婚約者のフランがお世話になっているね」

「いえ、こちらこそ」

二人はアドの笑顔にもうタジタジだった。

何やっているのよ。その笑顔に騙されたらダメだから。私は思わず言いそうになった。



「で、フラン、いつまで隠れているんだ」

アドが私の方を見て言ってきた。折角、メラニーと対策練ってアドには近づかないようにしようと思ったのに、1日目の朝っぱらからそれが出来ないってどういうことなんだろう?


「えっ、私に用なの?」

私は諦めて顔を出した。ピンク頭とでも待ち合わせかとも思っていたんだけど。まあ、一般食堂の前での待ち合わせは無いか。


「婚約者に用があっても問題はないだろう」

アドが私の嫌味にも全く堪えずに健やかな笑みを浮かべる。私相手には胡散臭いんだって。その笑みは。


「婚約者婚約者ってうるさいわね。その婚約者が」

「倒れたのに、見舞いに来なかっただろう」

アドが私の言葉を途中から引き継いで言ってくれた。


「判っていたら・・・・」

言い募ろうとしたその私の目の前にぬうっと花束が差し出された。


「何よこれ?」

「見舞いに行けなかったお詫びだ」

アドがいけしゃあしゃあと言ってくれた。

ええええ! 花束って私にだったの? 私は信じられなかったし、むちゃくちゃ焦った。アドが私に花束くれるの?


「いや、あの、私に?」

私は真っ赤になっていた。アドから花束もらうなんて初めてだし、ヴァンからは一杯もらっているけど、アドは私にくれたこともなかったのだ。それを今頃くれる?


アドは頷いた。


「はんっ?、あんたから花束もらうなんて本当に初めてなんですけど。槍でも降ってくるの?」

私は必死に態勢を立て直そうとした。


「いや、だから悪かったって」

「ふんっ、何よ。それも今頃くれるの? それにいま花束貰っても授業中どこにおいておくのよ?」

私は文句を言った。教室に持っていってもじゃまになるだけじゃないか。でも、顔がにやけているかも。


「えっ、いや、遅くなったのは謝るが、どこか置いておくところくらいあるだろう。ねえ、バロー男爵令嬢」

アドはニコリと笑ってメラニーに同意を求めた。


「いや、まあ、教室の外に水差しにでも入れておけばなんとかなるかと」

メラニーは緊張して答えていた。メラニーでも王子相手だと緊張するんだ。頭の片隅で思った。


「ということで、頼むよ」

何がと言うことだかわからないけれど、

「えええ、面倒くさい」

私は取り敢えず言ってみた。


「そう言わずに、ね」

私はアドの勢いに、仕方なく花束を受け取らせられた体を取った。でも、アドから初花束だ! それは今までのこいつの行いを全てチャラにするほどのインパクトがあったのだ。



でも次の瞬間に受け取ったことを後悔した。

「で、殿下。お待たせしましたーーーー」

そこにピンク頭が駆けてきたのだ。


えっ、こいつ他の女と待ち合わせるついでに婚約者に花束を渡そうとしていたのか。

私は思わず花束を叩き返そうとした。メラニーとノエルも唖然と二人を見ている。


「えっ、いや、約束なんかしていないぞ」

戸惑ったアドの声がするが

「またあ、昨日一緒に食事してくれるっておっしゃいましたよね」

「えっ、いや、またいつか」

「さっ行きましょう」

アドの抵抗虚しくピンク頭はアドの腕を掴むと引っ張っていった。


「何よあれ」

私はそれをプッツン切れて見ていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いてありがとうございます。

【コミックシーモアで電子書籍化】

『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


このお話がコミックシーモア様で電子書籍として先行配信中(シーモアへのリンク)https://www.cmoa.jp/title/1101429725

お義兄様とエリのダンジョン冒険の2万字の新規書下ろしとシーモア特典ss付
表紙画像

表紙画像
「次にくるライトノベル大賞2023」https://tsugirano.jp/
に皆様の応援のお陰でこの私の書籍がノミネートされました。
なんと上から5つ目に!

【この話が書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』

全国1200以上の書店にて発売中です。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。

■アマゾンへのリンク


■楽天ブックスへのリンク


■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

つぎラノエントリー記念としてフランの子供時代の話書き出しました

新作

『小さいフランの大冒険『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません外伝』魔物も王子様も魔王だって怖くありません。でも、王妃様とマナーの先生は苦手かも……』

https://ncode.syosetu.com/n6598im/
私の

次の小説

はこちら!

『推しの悪役令嬢を応援していたら自分がヒロインでした』

https://ncode.syosetu.com/n2714ht/

前世でいじめられていたシルフィは、ゲームの中で悪役令嬢タチアナに助けられたのだ。そして、そのゲームの世界に転生したと知った時からタチアナの力になりたいと思っていた。ゲームでは悪役令嬢タチアナは婚約者に近づくヒロインを虐めて修道院送りになってしまうのだ。でも、いきなり入学式でタチアナと婚約者に会ってしまったシルフィは、ゲームの中でしか知られていないタチアナの恥ずかしい秘密をバラしてしまい、二人に驚かれてしまうのだ。そんな中、シルフィが面白いと上級生のアルに興味を持たれてしまい、大変なことになっていく。シルフィも知らない秘密もあってそれが判明した時にのっぴきならない状況に追いやられるシルフィのシンデレラ物語。
時計の鐘が12時を打つ時にシルフィの未来はどうなる?
今回もハッピーエンド目指して頑張ります!
私の最近

完結した小説

はこちら!

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』

https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

【新作】

始めました!

『聖女として召喚されたのに王宮を追放されて我儘貴公子の奴隷にされました。でも、いつの間にか溺愛されるシンデレラストーリー』https://ncode.syosetu.com/n6661in/

新作


『転生したら地味ダサ令嬢でしたが、助けてくれた王子様に恋してしまいました。』

https://ncode.syosetu.com/n9394ik/
前世病弱のヒロインが地味ダサ令嬢(平民)に転生して王子様に助けられて恋してしまう話です。身分差を持ち前のパワーで知らぬ間に弾き飛ばす物語になる予感が……

そのサイドストーリーがこちら


『転生したヒロインのはずなのに地味ダサ令嬢に脇役に追いやられてしまいました』

https://ncode.syosetu.com/n3874il/
実は地味ダサ令嬢の親友がヒロインでしたと言うお話です。地味ダサ令嬢の凄まじいばかりの行動力の前に翻弄されるヒロインのお話です 私の

一番の大作小説

はこちら!

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』

https://ncode.syosetu.com/n8911gf/

― 新着の感想 ―
[一言] 聖女、手強い(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ