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今度はならず者に友人が学園で襲われました

でも、その後が大変だった。


物音に驚いて、皆、飛んで来るし、扉を壊したことでフェリシー先生にはまた怒られるし。


フラビオは単なるいたずらでやったって言うけれど絶対に嘘だ。

ピンク頭かシルビアに示唆させてやったに違いない。


でも、何故、相手がベルナルドなんだろう? 確か彼は王太子と同じ三年生A組だ。王太子の婚約者の妹のソニアは一年A組で、フラビオと同じクラスだ。私たちの艶聞が広まったら自分のA組にも被害が出るはずだ。


「元アルメニアの王子様というのも気になるところよね」

「どういう事?」

私はメラニーがいう事に質問した。


「フランを嵌めようとした相手は今のアルメリア王国と繋がりのあると言われているコフレンテス商会の息子よ」

「コフレンテス商会って、この前の夜会で私に嫌味を言ってきてヴァンに撃退されたあいつか」

小太りの中年を私は思い出していた。


「そうか、あいつはアルメリア王国と繋がりがあるのね」

「フラン、それくらい常識よ。殿下のくれた資料にもそう書いてあったでしょ。あんたまた適当にしか見ていなかったでしょ」

「まあ、そのあたりの事はアドとあなたで何とかやってくれるかなと思っていて」

私が頭をかいて言うと、


「あなたね、未来の王妃になるんでしょ。もう少しちゃんとやりなさいよね。あの資料、殿下がまとめて頂いたもので要点しか書いてなかったわよ。それくらい読んでおきなさいよね」

「読むのは読んだわよ。まあ、でも、そういう所はアドの役目だから」

そう反論すると白い目で見返されてしまった。


「殿下、あれ書くのに半徹夜だったんですけど」

オーレリアンが言ってくれるんだけど。


そうだったんだ。私はあの夜会の前夜は緊張したとは言っても六時間は寝ていた。それを聞くと少しはアドに悪い気がしてきた。アドは記憶お化けだからあんな物は聞いただけで覚えられるそうだけど、私はそうはいかない。だから私のためにわざわざやる必要もないのに紙に書いてくれたのだ。それも半徹夜までして・・・・。


でも、待てよ、渡された紙は一枚だった。あんな紙書くのは、アドなら十分もかからず出来るはずだ。


私がその旨を言うと、


「すいません。練習だって言われて、原稿作ったのは私です」

オーレリアンが慌てて白状してきた。


「結局、殿下にダメだしされて、殿下が一からあっという間に書かれてしまって意味なかったんですけど」

オーレリアンが肩を落として下を向いた。


「オーレリアン、もっと努力しないとだめね」

私が呆れて言うと、

「読みもしないあんたに言われたら、いくら何でもオーレリアンが可哀そうよ」

メラニーが注意してくれるんだけど。


「読むのは読んだわよ。でも、海賊王国に興味はないって思っただけで」

「海賊王国って?」

私の言葉にアルマンが聞いてきた。


「アルメリア王国は十五年前に当時宰相だった今の国王が、海賊と組んで反逆して乗っ取った王国なのよ。だから海賊とつながりが深いって言われているわ」

メラニーが説明してくれた。


「そうか。それでアルメリアと繋がりの深い、コフレンテス商会がアルメリア王国にとって目の上のたんこぶの前王子様とアルメリアの子分の海賊を退治したフランを合わせて醜聞まみれにしようと画策したのか」

やっと判ってアルマンが言った。


「まあ、それもフランの怪力の前に瞬殺されたけど」

「ちょっとメラニー、怪力って、何よ! 怪力って。衝撃波は魔術だからね」

メラニーの言葉に私は反論した。


「まあ、フランの馬鹿力を理解しなかったフラビオが馬鹿なのよね。全治二週間の怪我だそうよ」

「そんなの大げさに言っているだけよ。ピンク頭が治療したらすぐに治るでしょう」

「まあ、ピンク頭も言ってたものね。『フラビオ様。世の中には近寄ってはいけない怪物がいるのです』って」

「あのピンク頭。次に会ったらただじゃあ済まさないんだから」

私はメラニーの言葉にキレ気味に言った。

「でも、その後にフラビオが言っていたぞ。『君がやれば面白いって言って・・・・』途中でピンク頭に口を塞がれていたけれど」

「どのみちピンク頭が余計な事を示唆したんでしょ」

私は次やったら、ピンク頭をどうするか頭の中でいろいろ考えた。



しかし、こんな事があった後だ。私はアルメリア側はこれでしばらく大人しくなると思ったのだ。



翌日の放課後、演劇の稽古の時間になっても、テオドラの姿が無かったのだ。

「ルフィナ。テオドラを知らない?」

イライラしたメラニーが聞いていた。


「大分前にトイレに行くって出ていきましたけど」

「ちょっと心配だから見に行ってくれる?」

「はい」

ルフィナとジュセニアが見に行ってくれた。


「テオドラも食い意地が張っているから食べ過ぎでお腹でも壊したのかな」

私が言うと


「あんたじゃないんだから、食い過ぎなんてことはないでしょ」

メラニーが言うんだけど。


「失礼ね。私は今まで食い過ぎでお腹痛なんてなったことないんだから」

私が自慢して言うと、

「そうよね。フランの胃は鋼鉄の胃だもんね。鍋をそのまま食べてもピンピンしているくらいだもんね」

「そんなわけないでしょ」

メラニーの言葉に私がムッとした。


「遅いわね」

「トイレに籠もっているんじゃない?」

私はまだ能天気だったのだ。



「トイレのどこを探してもテオドラはいないんですけど」

そこに扉が開いて、ルフィナが帰ってきた。


「気分悪くて保健室に行ったのかな?」

私がそう言った時だ。


「すみません」

空いた扉から、女の子が顔を覗かせた。


「フランソワーズ様」

「あなたは確か一年A組のソニア・トルトサさん?」

私の声に令嬢は頷いた。私と一緒にこの前嵌められそうになったベルナルドの妹のはずだ。

でも、それ以前に、どこかで見たことがあるような気がするんだけど、どこでだろう? すぐには判らなかった。


「あの、学園の中で怪しげな男の人達が、このクラスの女の子と一緒に歩いているのを見たんですけど」

おずおずとソニアは言ってくれた。


「な、なんですって!」

私は慌てて立ち上がった。

学園内は安全だと過信していた。

この学園は港に面していて砂浜もあり、侵入しようとすれば容易に入れそうなところは結構あるのだ。

「ちょっと、そこに案内して」

私はソニアを連れて慌てて部屋を飛び出したのだ。



さらわれた友人を果たして見つけられるのか?

続きは明朝更新予定です。

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