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演劇の練習が始まり、偵察に来た王女を悪役令嬢の高笑いで撃退しました。

私は文句を言う間もなく、悪役令嬢になってしまった。


一学期に散々悪役令嬢にならないように注意していたのに、なんで演劇でやらないといけないのよ!


やる気満々のメラニーが怖くて何も言えなかったけれど・・・・


ヒロインの平民役はイネに決まった。

平民の男役がエドガルドとセブリアンに。

ヒーローの王子役にはアルマンがなっていた。

悪役令嬢は当然私で、その取り巻きがルフィナとテオドラと料理屋の娘ジュセニアだった。


道具係は魔道具工房のドミンゴとガスペルがいろいろ揃えてくれることになって衣装係は貴族の女の子らと平民の女の子らの中で裁縫が得意なのが選ばれた。


監督はメラニーで、サブがオーレリアン。


平民の女の子の立ち居振る舞いは貴族の女の子がマンツーマンで教えてくれることになった。




話のあらすじはこうだ。


平民の女の子のイネは下町の人気者だったが、聖魔術に目覚めて、聖女となって王立学園に入学する。


そこに王子様がいて知り合いになるが、王子様には私という婚約者がいて、二人が親しくなるのを快く思っていない私はイネを取り巻きたちと一緒に虐めるのだ。


でも、最後のダンスパーテイーで王子が私の悪行を公のものにして私は断罪され、二人は幸せになると言う話だ。


何か、よく聞いた話だ。一学期にさんざん検討した『エルグランの薔薇』とほとんど同じだ!


「メラニー、凄いわ。こんな話が考えられるなんて」

「本当に天才みたい」

イネとかテオドラとかは感心しているんだけど、私からしたらパクリ以外の何物でもない。


「著作権の侵害よ」

「そんな事言っても、この世界では著作権はないでしょ。それにそもそも、こんな話、基本は皆同じなんだから著作権もクソもないじゃない」

メラニーはゆうゆうと反論してきたけれど。




私達は早速練習に入った。

2月末の本番まではあまり時間がないのだ。



「そこの平民のあなた。礼儀作法がなってないわよ。食べるときくらい音を立てずに食べなさい」

私がそう言ってイネを虐めると、


「あなた様は、どういった理由で私にそのような言いがかりをつけられるのですか?」

イネが必死に反論してくる。


「ブブーー、駄目よ、イネス。そんな貴族みたいな優雅な話し方は、平民はもっとがさつなのよ。日頃のフランを見習いなさい」

「どういうことよ。メラニー。私はそんなにがさつじゃないわ!」

「そうです。フラン様はとても洗礼された話方をされます」

「どこがよ。あなた、フランを美化しすぎ」

私達が言い合いを始めた時だ。


ガラリと扉が威勢よく開けられて、

「ちょっと、シルビア様」

「ギャッ」

扉に耳をつけて立ち聞きしていたと思われるグレースとピンク頭が教室に転がり込んできた。


「どう見てもフランはガサツの塊よ。何しろ公爵令嬢のくせにターザンのマネをして『ああああああ!』だもの」

シルビアが仁王立ちで私を指さして言ってくれたのだ。


「まあ、シルビア殿下ともあろうお方が、原始人の真似をされて。さすが、ルートン王国は違いますわ」

「な、なんですって」

「おほほほほほほ。私、今は、悪役令嬢ですの。いくらでも言えましてよ。そこでこそこそと立ち聞きしていた下品なお二人さんもよくお聞きになって。クラス対抗戦はこの悪役令嬢のフランソワーズ様がいただきますわ」

私は高笑いをすると3人を見下したのだ。


「な、何を」

シルビアがハンカチを噛み締めていた。


「フラン、覚えていなさいよ。絶対にクラス対抗戦では勝ってやるから」

グレースが言ってくれるけど、地面に這いつくばったまま言ってもらっても私はびくともしない。


「おーほほほほ、この悪役令嬢のフランソワーズ様がいる限り、我がEクラスが頂きますわ」

「何がおほほほほよ。バカの高笑いしているのも今のうちよ。白雪姫と聖女の物語が必ず勝つんだから」

「ふんっ、王女様と聖女様が手を取り合って国をもり立てていく物語なんてなんて陳腐なんでしょう。そのような物語私の扇子の一振りで弾き飛ばして差し上げましてよ」

私は扇子を広げて3人を扇いであげた。


「フラン、よくもそこまで馬鹿にしてくれたわね。絶対に負けないんだから。行くわよ」

「えっ、シルビア様」

「お待ち下さい」

シルビアの後を追って残りの二人も慌てて立ち去った。


残りの皆は唖然として私達のやり取りを見ていた。


「凄いです。フラン様。私感動しました。王女殿下の前でも全然動じられないんですね」

イネが感動してくれるんだけど。


「まあ、泣き虫シルビアは幼なじみだしね」

私は鼻を押さえていった。


「本当にあんたは悪役令嬢そのままよね。やっと『わっはっはっはっ』の魔王の馬鹿笑いは卒業したんだ」

「当たり前でしょ。悪役令嬢になりきろうと思えばなれるわよ。これくらい楽勝で」

メラニーの言葉に私は頷いたんだけど。


でも、悪役令嬢がハマり役ってしかしまずくない? 未来のエルグラン王国の王妃なのに。もう少し手を抜こうかとも思ったが、そんな事はメラニーが許してくれなかった。


ここまで読んでいただいてありがとうございます。

お忙しい中、誤字脱字報告、感想、いいね有難うございます。

ブックマーク、広告の下の評価して頂いた方には感謝の言葉もございません!


明日はメンテナンスなので、夜の一回更新のみです。



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