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前世の記憶を取り戻して悪役令嬢であることが判りました

このお話見つけていただいてありがとうございます。

楽しんで頂けたら幸いです。

挿絵(By みてみん)

この本が『次にくるライトノベル大賞2023』にノミネートされました。

これも応援していただいた皆様方のおかげです。

本当にありがとうございました。詳しくは一番下の方に同じ絵でリンク張っています。

ガツンッ



私は将来的に義理の弟になるであろう、シルヴァン王子と思いっきり頭をぶつけていた。

そして、なんとその時に頭の中に凄まじい量の記憶が流れ込んできたのだ。

私はあまりの事にそのまま意識をなくしてしまっていた。



私はフランソワーズ・ルブラン。ルブラン公爵家の令嬢で今年16歳になる。この4月からは王立学園に入学するのだ。まあ、公爵家令嬢なのだから、このエルグラン王国では身分的に上から数えたほうが早いというか、人口2000万人の0.1%未満の貴族の中でも最高峰近くにいる。ものすごく恵まれていると思う。



その私が何故、ヴァンと頭をぶつけたかというと、王宮の屋内でヴァンと剣術の稽古をしている時に、たまたま落ちていた紙に足を滑らせてしまったのだ。

それだけならば転けるだけだったのだが、慌てたヴァンが私を受け止めようとして前に出て、私が転けまいと浮遊魔術を使おうとして、たまたま、私の頭とヴァンの頭がもろに衝突してしまった結果だった。


ヴァンは石頭だったのでびくともしていないが、か弱い私はそうではなく、気を失ってしまったのだ。


いや違う、頭をぶつけるくらいなら、しょっちゅうやっているのでびくともしない・・・・それも公爵令嬢としてはどうかとは思うが、打ち所が悪かったらしく、前世の記憶が大量に私の頭に流れ込んできたのだ。その記憶量が多すぎたので、知恵熱を出して、3日間も寝込んでしまったのだ。


自慢じゃないが、私は熱を出したことは殆どなくて、そんな事は初めてだった。

王宮で倒れたので、父や母も慌てて飛んできて大変だったと後で聞いた。


でも、私の頭の中はそれ以上に大変だった。


話すと長くなるが、前世、私は日本という別世界に住んでいたらしい。

そこでは16歳までの記憶しか無い。病弱だった私は流行病にかかってあっさりと死んでしまったらしい。その前世で病弱だったからか、逆に今世は健康体なのだろうか。熱なんて出した記憶は今まで無かった。


その新しい記憶の中で、フランソワーズ・ルブランという私の名前がどうしても引っかかってしまうのだ。日本での名前は秋奈という名前で違うし、友人にも外人はいなかったはずだ。

でも、何か引っかかる。そして、鏡を見るとこの顔もどこかで見たことがあるのだ。


きつそうな目元、ストレートの金髪、碧眼・・・・


「あああああ」

私は思い出した。そう、私が何回もやって挫折した超有名な『エルグランの薔薇』というゲームに出てくる悪役令嬢とそっくりなのだ。そして、私フランソワーズ・ルブランはその中で悪役令嬢の役割で、これでもかと言うほど聖女を虐めて、断罪されるのだ。

もっとも、私はヒロイン役でゲームをして、いくらやってもフランに虐められて自殺させられるので、怒って止めてしまったのだが・・・・・



「うっそーーーー」

私は大声をあげていた。


「義姉上」

その声を聞いて慌ててヴァンが駆け込んできた。


「大丈夫ですか?」

部屋の外で待機していたのだろう。心配そうに見てくる。


えっ、いま真夜中なんじゃ無いのか。私は何故、王子がそんな時間までここにいるのか判らなかった。王宮で倒れたので、とりあえず、王宮の客室で私は寝かされていたのだが、王子がずうっと傍にいる必要は無いだろう!



「ああ、ごめん。ちょっと変な夢見ていて、あなたこそ、もう遅いから部屋に帰って寝なさい」

私は外に詰めてくれていただろう王子に言った。


「いや、でも、義姉上を傷つけたのは俺だから」

「何言っているのよ。あんなの不可抗力よ」

私は笑って言った。


「そう言ってもらえると嬉しいんだけど、本当にごめん」

「気にしないでいいわよ」

剣術の稽古していたのは私も同じだし。後であんな所でやったことはじっくりと怒られるのは確実だったが・・・・。


「義姉上、もし、今回の件でどこか変になっていたら一生涯俺が面倒見るから」

真剣な顔でヴァンは言ってくれた。


「何言っているのよ。私がなんかあったら婚約者のアドに責任取ってもらうわよ。もっとも一度もお見舞いに来てくれないけれど」

そういえばヴァンはずうーーーっとそばにいてくれるのに、婚約者が一度も見舞いに来ないってどういう事? 今度嫌味を言ってやろう。

私は決意した。そう私は第一王子のアドルフの婚約者だったのだ。あの馬鹿は私がいないのでこれ幸いとまた遊び回っているに違いない!


「そうだろう。義姉上、あんな兄貴なんて捨てて俺に乗り換えてよ」

「はいはい、もう子供は寝ている時間よ」

「もう俺は14で大人だって言うのに」

ヴァンが精一杯背伸びして言う。そう言うことは身長で私を抜いてから言ってほしいわ、そう言ったらまた怒るから言わないけれど。まあ、ヴァンは私にとって、実の弟のジェラルドと並ぶかわいい弟分だった。


そう、この時はそうとしか思っていなかったのだ。



ブックマーク頂けたら嬉しいです!


皆々様のお陰でこの話が書籍化されました。

挿絵(By みてみん)


詳しくはこの下の広告の更に下を御覧下さい。

上よりも大きい表紙絵にレジーナブックスのこの本の紹介ページへのリンク張ってます!

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「次にくるライトノベル大賞2023」https://tsugirano.jp/
に皆様の応援のお陰でこの私の書籍がノミネートされました。
なんと上から5つ目に!

【この話が書籍化】

しました!
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― 新着の感想 ―
[一言] >人口2000万人の0.1%未満の貴族の中でも最高峰近くにいる めっちゃ少ないですね(例えば、18世紀末フランスの貴族は38万人、総人口2500万人に対する割合1.5%) だからどうしたと言…
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