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異世界珍遊記ドンとくるな冒険譚

ハローワーク、それは別名公共職業安定所仕事を求めさすらう禿げたおじさんから就職する前に亡くなりそうな方まで差別することなく仕事を斡旋してくれる場所だ。


そこに私は降り立ったガンダムで言えばガンダム大地に立つみたいな感じだ。


「あのぉ、これ配属先東京、静岡、異世界ってあるんですけど異世界ってどこなんですかね」


目のつり上がった意地の悪そうなおばさんが答える


「企業側の打ち間違えでしょうね、伊勢かどこかでしょう」


酷く面倒くさそうに答えるおばさん


たぶん打ち間違えだろう作業内容は簡単な軽作業って書いてあるし近くの工場だろう。


「とりあえずこの求人申込みしたいのですが」


「いいですよ、今電話しますね」


そこからは非常にスムーズすぎたありえない速度だった


「企業側から体験の日時を聞かれているのですが変わりますか」


そこで僕は受話器を借り電話を受け取る  


神秘的でどこか荘厳な声が耳の中で反射する感覚を覚える


「種を蒔きますか、蒔きませんか」


僕は恍惚とした感情を覚えこの世に生を受けたことに感動をし昨日食べた晩御飯はチキンライスだったことを思い出した。


「今日はカレーが食べたい」


呟いた言葉がキーワードだったのかブラックリストへの近道だったのか僕の体は謎の夜中の4時以降のテレビの砂嵐のようにモザイクがかかり消えていた。


なんてことだ目を再び開けた瞬間見渡す限りの僻地、僻地、土地価格一坪100円もしなさそうなあたり一面の僻地だった。  


脳内に鳴り響くおらこんな村いやだぁ東京さでるだ〜

東京でべこ買うだ〜、あ~よいっしょ


「採用担当のマリンですよろしくお願いします」


耳の中に荘厳かつ生きることとはこういうことだったのか今までの人生はりんごを食べ損なったアダムとアダムだったのだと私は思った。


「はい、すいません和彦というものですよろしくおねがいします」


引きつった声で縮こまり答える、そう僕は20歳にしてバキバキの童帝なのだ綺麗な女性の前で会話するということはサンドバッグの中に入って放置されるくらい危険なことなのだ。


「和彦様ですね、こちらの配属はドエライクサイ領の勇者になりますね」


はい、ブラック確定残基代は死んでるし要らないよねって感じのやつだこれは間違いない


「来るところ間違えたみたいなんで帰りますね」


そこで僕はお尻に違和感があることに気づく、


「なんだぁこれ……」


ネバネバとしていてローションをさらに濃くしたような粘液が手にまとわりついていた。


「それはねぶりスライムの粘液じゃ……」


マリンは呆気に取られたようなドン引きしたような声で答える。


ズボッ勢いの良い音がした


「駄目、それ以上はホント駄目あああん」


僕はこの世の快楽の一部を知ってしまい、ああ、前立腺ってそこにあったんだねあ、そこねと思いを巡らした


最後に目に写った光景は酷く腐敗した二週間放置した生ゴミより汚いものを見る目をした女神だった。






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