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神の呪い  作者: 黒咲透
1/1

「…………×××!」


うるさい…せっかく人が気持ち良く寝てるのに。


「……………きて。起きてくださーい!!」


「え!?」


いきなりの大声に、俺はハッと目が覚める。


飛び起きて、しかしそこが自分の部屋でないことに気が付いた。


そこは、何もない真っ白な空間だった。


ひどく殺風景。普段散らかしっぱなしの俺の部屋と比べると、少々寂しい。


俺は辺りを見回した。


天井を見ようと、顔を上に向けたその瞬間。


「こんにちはっ!!」


「うえぁああ!?」


見下ろすように笑いかけてきた誰かに、俺はまたもや仰天させられる。


「えへへっ♪お兄さん、驚きすぎですよぉ」


心臓バクバクの俺に、そいつは楽しそうに語りかける。髪も服も白い中で、唯一目だけが赤く光っている。


お前は誰だ、と尋ねようとしたとき。


「ボクですかぁ?ボクは神様ですよぉ」


俺の心を読んだかのように、自称「神様」は告げた。


「……は?神様?」


「そうです!」


えっへん、と胸を張るそいつ。


夢だ。きっとこれは夢の中で、この胡散臭い神様も幻なのだろう。


俺の脳は、この空間を現実と受け止めることを拒否した。


「んで?その偉い神様が俺になんの用ですか?」


夢なのであれば、恐れることもない。俺は神に質問した。


「あははっ!夢なんかじゃないよぉ?」


「俺の質問に答えろよ」


「んもー、わかったよぉ…」


まただ。こいつはまた俺の心を…いや、あり得ない。俺は現実主義なんだ。こんなやつが神でたまるか。


自分を諫める俺の目を、突然「神」が覗き込む。


「ねぇ、どうしてキミがここにいるのか解る?」


わかりっこない。だから訊いてるんだ。


「…そうだよねぇ♪じゃあ、ボクが教えてあげる」


「キミはねぇ、死んだんだよ」


目を細めて嗤った。


は?


「覚えてないんだよね?……思い出させてあげるよ」


「神」が俺を見つめる。次の瞬間、俺の脳裏を記憶が駆け巡った。

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