第7話
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ジギルが魔法を教えてくれるようになり1年が過ぎ、私は4歳になった。
最近思うことがある。
薄々は気が付いていたのだが、私はひょっとして美人なのではないか、と。
真っ直ぐに伸びたジギルとお揃いの銀色の髪に大きな瞳。瞳の色はジギルのようなエメラレルド色ではなく、黒に少し赤みがかった色のように見える。
4歳にしては目鼻立ちがハッキリとしているだろう。
私は愛菜として冷静にエレナーゼの顔を観察したつもりだが、もう4年この顔を毎日のように見ているから分からなくなってきた。
美人、だと思うが何せ近くにジギルがいるから自信を失う。
この1年でジギルは最初の頃の棘が取れ、大分性格が丸くなった。
少年から青年という言葉が似合うようになり、元々美少年だったがより一層美しさに磨きがかかっている。
言動にしても、いつの間にか私には勿論ベルにも他の使用人にさえ、虐げたり侮辱したりすることがなくなった。
その為、最近では使用人達が熱い目線を向けていることに私は気が付いていた。
さて、私の魔法に関してだが。
ジギルはまず、魔法の基礎について教えてくれた。お陰で魔法の知識は大分身についたと思う。
だが、肝心な実践では魔法のまの字も見当たらない程に何の成果もない。
才能が無いのか、と私自身ですら少し諦めに入っていた。
だが、ジキルは毎日熱心に教えてくれた。
ジギルは自分が比べられ虐げられた経験があるからなのか、『諦めろ』とは言わない。
私もそんなジギルの期待に応えたいと心から思い毎日練習に励む。
長くなったのでここで区切りました