表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
嘘吐き探偵の魔法戦記(エストラッテ)   作者: 篠風 錬矢
第3章 カムイ編
26/35

戦う理由

「……」

アルカディアの仲間達を見送った僕達は、アリシアが示唆した可能性が杞憂である事を願っていたが、同時に的中を予想していた。

「あ、そうだ真澄君。記憶が戻ったんだよね」

「……うん」

「どうして?」

雷虎の質問の意図は僕の記憶が蘇ったキッカケが何か、という事だろう。

「……記憶を失う前と記憶を取り戻す前、最後に受けた攻撃が全く同じなんだ」

それも、“あの技(如月流奥義)” だ。

「……って事は、真澄が行方不明になる前から白夜は敵だった……そうなるな」

「うん。その精神的ダメージと肉体的ダメージが重なって記憶を失ったんだと思う」

「それで、全く同じダメージを受けて記憶が戻ったって事?」

「そういう事だと思うよ。僕は精神学なんてからきしだから何とも言えないけど」

とはいえ、恐らくそれで正しいだろう。

「……!いてっ」

龍護が起き上がった。

「ダメだよお兄ちゃん、まだ寝てないと!」

雷虎が無理矢理寝かせた。

「どうしたの?龍護」

「……白夜が来た」

「!」

龍護は人の魔力を察知する感覚が人一倍鋭い。

「表は魔龍がいるから、裏の森からだ」

「真澄君……」

「僕は……僕は……!」

「奴らの狙いは仕留め損ねたお兄ちゃんか、本命の真澄君だよ。あたしが食い止めるから何とか隠れて」

それだけ言って、雷虎は壁に立て掛けてあった小太刀を掴んで飛び出した。

「……」

……食い止めるから何とか隠れて、か。

「……龍護、雷虎が白夜に勝てると思う?」

「無理だろうな。白夜が闇の小太刀を使わなかったとしても、光の太刀を攻略するのは雷虎には難しい。ましてや白夜が二刀を使えば、勝ち目は無い。それに、だからこそ雷虎は隠れるよう言ったんだろう。自分が敗北し、突破されると踏んでな」

自分の妹が死にに行ったというのに、龍護は冷静に分析する。

「……」

「そういや、あのアリシアって女、雷虎と戦ったらしいな」

「え?あ、うん」

何故、今それを言うのだろうか。

「何故戦う事になったんだ?」

「……雷虎は、敵に洗脳されてたんだ」

「成程な。で、アリシアが戻したって訳か」

「そういう事……あれ?洗脳……?」

何かが引っ掛かる。

「フッ……なァ真澄、お前にとって戦う理由って何だ?」

「それは、敵が襲ってくるから……」

「本当にそうか?」

「え?」

……違う、今回もシャンバラも僕達の方から飛び込んでいる。

ならば、これは能動的な戦いなのだ。

能動的な戦いに理由が無ければ、それはただのバーサーカーである。

「お前は白夜に倒され逃がされ、それでも尚戦い続ける。本当は分かっているんだろ?」

「……!」

僕は思い出した。

さっきも、あの時も、白夜の声と目に覇気が無かった。

……僕に力を与え、逃がそうとした姉さんがわざわざ自分の意志で僕を狙う訳が無い!

「雷虎の一件を聞くに、敵は人を洗脳する力がある。それも、倒されれば解けるような……」

「じゃあ、やっぱり……」

……姉さんは……!

「真澄、頼みがある、聞いてくれ」

「何?」

「雷虎を……俺の妹を助けてくれないか?それに、お前にはやるべき事がある筈だからな」

「……!うん、分かった」

僕は立ち上がり、包帯や湿布などを全て剥がした。

「お、おい!?」

僕の怪我は既に完治していた。

「姉さんが僕を助ける為に託したこの力で、今度は僕が姉さんを助ける!待ってて雷虎、姉さん!」

僕は天羽々斬を掴んで部屋を飛び出した。



「雷虎ォっ!」

僕は裏門に駆けつけた。

「……来た」

「真澄君……どうして……!?」

雷虎が全身ボロボロの状態で白夜と対峙していた。

白夜は闇の小太刀を使っていない。

「雷虎と……姉さんを救う為に」

「え?」

「ゴメン雷虎、これは僕の戦いだ。僕は逃げちゃダメだった、僕は向かい合うべきだったんだ」

……(如月の剣士)じゃないと、姉さん(如月の剣士)救えない(倒せない)

「真澄君……」

「姉さんは僕が倒す(救う)。雷虎はさがってて」

僕は静かに剣を構えた。

「……」

白夜は太刀の光を解いて構えた。

「姉さん、お陰で記憶を取り戻せたよ……有難う。お礼と言っちゃなんだけど、如月の剣士として、存分に死合ってあげるよ!」

剣に水を纏わずに踏み込む。

繊細な如月流にとって、剣に魔力を纏うのは邪魔になる。

攻撃力か、正確さか……僕は正確さを選んだ。

「「如月流・初ノ型〈初月一閃〉」」

僕と白夜の神速の斬撃が激突した。

僕は即座に手首を返して逆袈裟に斬り上げるが、白夜もそれに呼応して斬撃を放つ。

回し蹴りを打ち込み、体勢を崩させて剣を振り下ろすものの、白夜は瞬時に太刀を逆手に持ち替えて受け止める。

かと思えば、逆手のまま斬撃を放ってきたので、僕は咄嗟に上体を仰け反らせて回避する。

「〈月輪散華〉!」

「〈鏡花水月〉」

僕の回転斬りを白夜はカウンターで斬り返すが、二周目の回転で反撃を防ぎ、三周目以降で白夜の太刀を弾いて白夜を浅く斬り裂く。

……〈月輪散華〉は僕の十八番って姉さんなら知っている筈だよね?洗脳で忘れたなら、ここで思い出せ!

そう、勝機はそこにある。

洗脳され、白夜本来の意志が働かないのなら、その技は本当の威力を発揮しない。

後は純粋な剣の技量と駆け引きが勝負を決める。

互いに同じ流派の使い手であるからこそ、動きを何手も先まで読みながら剣を振るう。

「凄い……これがカムイの護り手、如月の剣士同士の戦い……」

……感心してないで逃げてくれないかな?

「集中切らすのは命取り」

その声と同時に、僕の剣は真上に弾き飛ばされた。

「しまった!?」

「真澄君!」

……いや君のせいですよお姫様。

「如月流・破ノ型」

白夜が刺突の構えをとり、刀身に光を纏った。

「マズイ!」

……ホントにマズイって生け捕りにするんじゃなかったの、それ普通に死んじゃうよ!?

「〈破邪月光牙〉」

「〈双水剣錬成〉!」

アリシアの見よう見まねで水の双剣を生み出し、水剣を交差させて防御する。

「!……でも、無駄」

「うぐぐ……」

凄まじい剣圧だ。

元より、僕は白夜よりも弱い。

……それでも僕は、勝たないといけないんだ!

「真澄君っ!あたしはアリシアちゃん達の方に行くね!だから……頑張って!」

「!」

雷虎が走り去った。

……そうだ、アリシア達も戦っているんだ。僕が負ける訳にはいかない……!

「無駄」

「!」

光の太刀が水剣を破壊し、僕の胸を貫いた。

同時に、僕の足元にさっき弾かれた剣が突き立った。

「が……は……」

「……」

太刀が引き抜かれ、僕は膝を……

「まだだ……!」

つかなかった。

「……!」

「姉さん、君が僕にその力を与えたんだ……!」

破壊された水剣の水が渦巻き、水柱となって天高く伸びる。

僕の胸の風穴が即座に再生し、全身の疲労がとれた。

水柱が枝分かれして八本になり、それぞれが龍頭となった。

「……!」

「喰らえ……!〈八天水龍咆哮波〉!」

八つの龍頭が一斉に蒼いレーザーを放った。

「あぁぁぁぁぁ!?」

大爆発が起き、白夜は爆煙に包まれた。

ふぅ、今日はちゃんと投稿できましたね。佳境に見えるじゃろ?まだもうちょっと続くんじゃ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ