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嘘吐き探偵の魔法戦記(エストラッテ)   作者: 篠風 錬矢
第2章 シャンバラ編
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シャンバラ奪還、次なる戦い

「え、マジで?雷虎が僕の友達?」

さっきまで隠しボス的な奴だと思っていたカムイ帝国の王族が僕の友達という事実に、衝撃を隠せない。

「だからそう言ってるじゃん、どうしたの?」

「……記憶が無いんだ。目が覚めて、覚えていたのは名前だけだったんだよ」

「あー、そういえば行方不明になってたもんね。きっとその時だよ」

「そうだろうね」

雷虎が嘘を吐いてるように見えないので、僕は警戒を解いた。

「ほわぁっ!?」

アリシアが気がついたようだ。

「マ・ス・ミー!」

アリシアがこちらに大股で歩いてきた。

「ままま待ってよアリシア!その話は後にしよう、先にこっちだよ」

僕は雷虎が僕の友達であるらしいという事を話した。

「……成程、では黒幕とか知ってたりします?」

「それは分からないけど、本拠地は知ってるよ。カムイ帝国の“如月村”に黒幕はいる」

「如月村……!?」

僕達三人は目を丸くした。

「そう、真澄君の家系が護ってきた場所で、カムイの要塞“雷護城”のすぐ近くだよ」

「!」


…


結局、雷虎は僕達がアルカディアに連れて帰る事になった。

行きは一人だったレイの後ろに雷虎は乗っている。

「帰ったら学園長に報告します。恐らく、カムイ帝国への遠征が命じられるでしょうね」

アリシアは馬を走らせながら言った。

「マスミ、ひょっとしてお前が此処に来たのは偶然じゃねぇのかもな」

「……」

アレッドが後ろの僕に言うが、僕は何も言えない。

……逆なんだよアレッド、僕がアルカディアにいるからこそ、アルカディアは狙われたんだ。

そう考えれば、シャンバラも僕を誘き寄せる為の罠だったのかもしれない。

だとすれば僕は、責任を持って黒幕をこの手で倒さなければならない。

フリードが最期に言い残した“幻想の世界《ファンタジスタワールド》”とやらの力が必要になるのだろうか。

「ライコ、マスミって何者なの?」

雷虎と同じ馬に乗っているレイが問い掛けた。

「後で話すよ。学園長さんも交えて、落ち着いたトコで話した方が良いんじゃないかな?」

そう言って、雷虎は上空を指差した。

「ピィィィ!」

グリフォンだ。

「こっちは疲れてるっていうのに……」

エリンが毒突いた。

それには僕も同感である、レイも嫌そうな顔をしているところを見るに、不可視魔術を使う力が残っていないのだろう。

「皆疲れてるでしょ?あたしに任せて」

雷虎が胸を叩いて言った。

「でも、雷虎だってアリシアにボコボコにされてなかった?」

「うん、一方的過ぎてあたし全然攻撃出来てないから魔力は有り余ってるんだよ」

……それ、言ってて悲しくならない?

とは言わないでおこう……。

「ピィィィ!」

グリフォンが突撃の構えをとった。

「散開っ!」

アリシアが指示を飛ばすが……

「レイちゃん、そのままだよ!」

「えぇぇぇ!?」

雷虎に言われ、レイの馬は直進し続ける。

グリフォンは当然のようにレイの馬に狙いを定めた。

雷虎は右の掌をグリフォンに向けた。

「ピィィィ!」

甲高い声と共に急降下攻撃を仕掛ける。

そして、突き出された雷虎の右手に触れる寸前……

「〈反電雷咬牙〉!」

虎の顎を象ったような電撃がグリフォンを捉え、咬み砕いた。

「ピィィィ!?」

グリフォンは断末魔をあげ、黒焦げになった。

「おー」

レイが感心したように声をあげた。

「対物理攻撃用のカウンターだよ。しっかし……真澄君だったら、あんなの一瞬で倒せるというのに」

「え、僕そんなに強かったの!?」

「うんうん。まぁ、それも含めて後で話そうかな」

そう言って雷虎は話を切り上げた。


…


僕達は帰還早々、ヴィロワールのもとへ向かった。

……ぶっちゃけ休みたいんだけど。

「シャンバラ奪還任務、ご苦労だった」

「はい」

「それで、お前達が連れて帰って来たその娘は何だ?」

ヴィロワールは雷虎を見据えた。

「彼女は……」

アリシアが説明しようとしたのを雷虎が手で制した。

「あたしは神威 雷虎。真澄君の友達だよ」

「カムイ……ほう?それは本当か、マスミ」

「本当か、と訊かれても僕に記憶はありません。ただ、信じても良いと思います。彼女は敵に洗脳され、今回の事件に関与していました」

「成程な。であれば、カムイ帝国にも連中の手が回っているという事か」

「というか、本拠地がカムイにあるんだけどね」

雷虎が笑顔で言った。

「ほう……それが本当であれば次の任務は決まったな、代表騎士団の諸君」

ヴィロワールが不敵な笑みを浮かべた。

「はい、カムイへの遠征ですよね」

アリシアが頷く。

……待って、まさか僕達だけでって事は無いよね?

「実は、ドラセナの一件と今回の事件、両方を解決したお前達こそが適任だという話があるんだ」

「俺達五人でカムイまで行けって事っすか」

「そうなるな。アルカディアからはお前達しか出せん。他の戦力が出払ったら、防衛戦も出来ないからな。本国は逆に猫の手も借りたい状態、他国に至っては無関心を決め込んでいる」

あっさりと、そのまさかが現実となってしまった。

「あたしも手伝うよ。っていうか、あたしの故郷が危ない訳だし」

雷虎が胸を叩いた。

「それでは、今日は休め。明日の早朝、早速出発して貰う」

ヴィロワールが言い放った。

……僕達が代表騎士団なんて肩書きを持ったせいで、ヴィロワールも堂々と僕達を使える訳だ。

かくして、僕達は早々に次の戦いに出向く事になった。

次の戦場は僕の故郷、カムイ帝国。

きっと、そこで全てが明らかになるのだろう。

そう僕は確信していた。

はいどうも、篠風 錬矢です!

ついに二章シャンバラ編も完結しました!

次回から最終章カムイ編となりますが……全然書き溜めてない上に受験勉強に本腰入れる必要があるので、当分先になります。

どうか気長にお待ち下さい。

それではまた次回お会いしましょう!

До свидания!

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