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異世界転生したらオタクと腐女子に分離してた LEVEL 1-6

 LEVEL 1-6


「その事ですか。

お二人共さきほど、自分が元の世界で男と女の二面性をもった人間だったと自覚していたと認めましたね?

そこら辺を詳しく説明してみてください。」


ベルとリンはお互いの顔を訝し気に見る。


「体はアンタが支配してたんだからアンタが説明しなさいよ。」


リンが頬を膨らませる。


「なんで俺が悪いみたいになってんだ。わーったよ。

確かに俺は元の世界じゃオタク思考の男の人格と腐女子思考の女の人格が混ざった人間だった、と思う。


特に思考が分裂する時は声優さんに関してだ。

いつ頃からか覚えていないがあの声優さんのキャラがカッコイイ、俺もあんな風になりたいっていう意味の”好き”って感情にコイツの感情が混じりこんできたんだ。」


ベルがビシッとリンを指差す。リンは文句を言いたそうだったが、ここは話の腰を折らないことにしたようだ。


「自分でも何故かわからなかったがコイツと好きな声優さんやキャラは同じなんだ。

けど”好き”のベクトルが決定的に違った・・・例えば声優〇〇さんが演じるAってキャラは俺もコイツも好きなんだが・・・あれ?どう違うんだっけ?」


ベルは自分で説明しはじめながら言葉に詰まってしまう。


「ちょっと、アンタが説明しだしたんでしょ、声優〇〇さんが演じるAってキャラ!アンタがどう感じてるのかなんて私にわかるわけないでしょ!」


ベルとリンの話は要領をえなかった。

フェアリーはそんな二人を見て質問を変えた。


「ふむふむ・・・では、その声優〇〇さんの演じるAというキャラの好きな所を二人別々に言ってみてください。


「そりゃ勿論、Aってキャラは声も姿もカッコイイし、強いし、男はああいうキャラに憧れる。」


ベルは意見を言いながらうんうんと自分で頷く。


「ちょっと待ちなさいよ、私もAってキャラはカッコイイと思うし好きよ?けど声優〇〇さんが演じてるから魅力が引き立つわけ、更に言えば声優△△さんが演じるKっていうキャラとの会話、日常、そういうのが尊いし好きなわけ。

アンタだって声優△△さんの演じるKってキャラ好きでしょ!」


今度はリンがベルをビシッと指さす。


「いや、俺もKってキャラもカッコイイと思うよ、だから声優△△さんも好きだしさ。っていうかなんで今話に出てなかったKってキャラと絡めるんだよ!結果お前殆ど声優さんが好きなんじゃねーか!」


「なによ、声優〇〇さんってところが肝心に決まってるでしょ!勿論声優△△さんも好きだし漫画版でも脳内再生余裕だし。」


ベルの意見にリンが自分の意見をぶつける、二人の会話はヒートアップし大声になってきていたのでフェアリーは二人に別の質問をする。


「・・・なるほど、では女性声優さんとキャラについてはどうでしょう?例えばこの女キャラと声優さんについて意見を、ベルさんから。」


「このキャラ好きなんだよな、ほんとこのキャラ演じてる声優さん声の幅広くて中性的な男キャラから可愛い女の声まで演じて凄いよな~。」


ベルはフェアリーがどこからか持ってきたキャラの絵の見て素直に感想を述べた。


「確かに、この声優さん声の幅が広くて正直私もたまんないわね、特に中性的なアノキャラを演じてる時なんか・・・耳が孕むっていう言葉よく聞くけどまさにそれよね。

女キャラ演じてらっしゃる時は自分が女だったらほんと谷間でhshsしたいし乳もみたいわ。

アンタはやったら駄目だけど。


でも男性向けの絵のキャラやってる時はアンタが興奮してるの内心気持ち悪いって思ってたわ。」


「お前のほうがよっぽど危ないこと言いまくってるじゃねーか!」


二人の会話は途中からもはや喧嘩になりつつあった。


「お二人共少し落ち着いてください。

ではリンさん、貴方達が好きな声優さんが出てるこういう女性向けの絵の作品についてどう思います?」


フェアリーが喧嘩を仲裁しリンに質問をする。


「こほん、・・・そうね、コイツの体に閉じ込められてた時は自分が女だったらドハマりしてたかも、って思ったと思うわ。今は純粋にそういう作品に触れたいけど。」


「ベルさんは?」


「いや~流石に好きな声優さん出てても女性向けはないわ~。前はちょっと興味本位でそういう作品に触れたりもしたけど、やっぱ男だから無理だったわ。」


ベルは、ないないと手をふる。


「では貴方達が好きな声優さんが出ている男性向けの作品は?まずはベルさん。」


「そりゃやるでしょ、絵も可愛いし、男キャラもカッコイイし。」


「ではリンさんは?」


「ん~声優さんは興味あるけど流石に絵がね・・・。あ、でもそういう作品でやってみたら絵も気にならなくなって最高で、入り口で引いて帰っちゃう女子もったいないなぁ、この作品触れて欲しいって思った記憶はあるわね。」


「なるほど、こうやって脳内で分離してったわけですか。

こんな会話が脳内で飛び交ってたらさぞかし大変だったでしょうね。」


フェアリーは忘れない様に簡単にメモを取りながら言う。


「実際大変だったよ、体は男なのにコイツが出しゃばってくるからさ。」


「あによ、たまたま男に生まれてたからアンタが実権握り続けてただけのくせに。」


ベルとリンはうんざりといった感じだ。


「ではあと2つだけ。この男性向けの絵は?」


「すっげぇエロい、素直に興奮する。」


「ないわ、そのリアクション見ると気持ち悪いって思うわ。なんでそんな性的な絵にがっつくんだか。」


ベルとリンの意見が真っ二つに割れた。


「ではこのいわゆるBL的な絵は?」


「ちょっとその作品を詳しく!」


「いや・・・ない・・・それ腐女子の見るもんじゃん・・・。」


ポン!


フェアリーが1つ手を叩いた。


「貴方達やっぱり完全に分離してますね。

記憶はお互い共通の記憶を持っているようですが、思考や感情もう完全に分離しているように思われます。


ですのでもう互い思考に介入されることもないと思いますよ。


男子オタク思考のベルさんは腐女子のリンさんの考えが理解出来ないようですし、腐女子思考のリンさんの考えをベルさんは理解出来きないようですから。

お互い声優さんへの”好き”のベクトルの違いすら分からなくなってたでしょう?」


「た、確かに・・・。」 「言われてみれば・・・」


むむむと考えていたベルとリンだが整理されると納得するしかない。


「こんなに人格が別れたパーソナルデータが一緒に送られてきたらに男と女の二人のデータだと判別されるのは妥当だと思います。


そして”分離され二人になった”という結果がうまれたのでしょう。」


「ともかくリンさん、何故貴女達がその姿と名前なのかというと、おそらく、貴女達がそれぞれ、生まれ変わったらこうなりたいと潜在的に思っていた人物に形成された、と私は推測しますよ。」


「ちょ、ちょっとまった!!一部どうしても納得出来ないところがあるんだけど!?」


リンは絶対おかしい!と声高に叫んだ。


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