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COMIC-MAN  作者: ゴミナント
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白鳥たちの湖

水城編ラストバトル開始!!

 ボードブレードを構えて走る和也を、二体の白鳥さんが剣で斬りかかって来る。私はその二体を上空から狙うべく、新品の眼鏡の縁についてるスイッチを押す。そうしたら眼鏡のレンズが狙撃用のモードに切り替わり、網膜に直接投影された着弾予測が白鳥さんと重なった瞬間に引き金を二度引く。

 レーザーガンから発射したレーザー光線が二体の白鳥さんを貫いて、ダメージで怯んだ隙を突いて和也が叩き斬る。爆散こそしなかったけど、その一撃で二体の動きが緩んだ。

「随分と、物騒な武器作ってもらってるな!銃刀法違反にならないのか?」

 動きの緩んだ二体を蹴り飛ばし、銃で私を狙っていた一体にボードブレードを投げつける和也。

「大丈夫!これ、法律的に言ったら銃じゃなくて機械だから!!」

 がら空きの和也の背中を襲う一体を撃ち抜く私。

「危険物取扱規則ってもんがあるだろ!」

 戻って来たボードブレードを構え直し、和也が大きくジャンプして左右から襲って来た二体の攻撃を回避。私はその二体を出力の上げたレーザー光線で二体まとめて撃ち抜いた。

「レーザーガンはまだ危険物に指定されてないからいいの!!」

 黒焦げになった二体を空中回転回し蹴りでまとめて蹴り飛ばす和也の隣に一時着地しながらそう言い訳する。これは公安の人も言ってた言い訳だから、私が言っても問題ないはず。

「そーかい。じゃあ、安心して背中を任せられるな!!相棒!!」

「うん!!任された!!」

 コミックマンの仮面の奥で、和也がニヤッと笑ったような気がした。

 私はそのままもう一度急上昇すると、レーザーガンをガトリングモードに変形させる。銃口が単発用から掃射用に変形し終えたのを確認し、眼鏡のレンズに写る着弾予測円を出来るだけ多くの白鳥さんが巻き込まれていくように調整して引き金を引く。

「たあああああああああああ!!」

 一発一発は大した出力じゃないけど、鉄さえ溶かす光線のシャワーは白鳥さんたちの体を着実に焼いていく。足裏ジェットをホバリングさせての横移動しながらの掃射だけど、このガトリングモードはあんまり長い間使えない。

 すぐに眼鏡のレンズにアラートが鳴り、私は引き金を引く指を下ろす。確実に蓄熱されているレーザーガンが物凄い音を立てて強制放熱を初め、これで暫く私は攻撃できなくなってしまった。

「和也!!十秒稼いで!!」

「分かったぁ!!」

 私のガトリングレーザーで後方の水城さん以外の白鳥さんたちがよろめいている所を駆け込み、ボードブレードでばっさばっさと切り払っていく和也。四体の白鳥さんを斬り捨てていくその姿は、まるで時代劇の侍みたいな動きだった。

「…成敗!!なんてな!!」

「あ、和也も同じこと思ってたんだ」

 何だか気が合って嬉しく思いつつ、私のレーザーガンも放熱が終わって単発ならもう一度撃てるようになる。

「残り三!!」

 和也の宣言と共に、一体の白鳥さんが急ごしらえの翼を生やして私の所に飛び込んでくる。

「ヒカリ!!」

 それに気づいた和也が助けに来てくれようとするけど、その和也ももう一体の白鳥さんに飛びかかられていてすぐには助けに来てくれそうもない。

 こういう時こそ落ち着いて、と自分に言い聞かせながら引き金を引く。単発のレーザーガンは白鳥さんの右の翼を撃ち抜くけど、すぐに白鳥さんは翼を再生させて襲い掛かって来た。

 私はもう一度引き金を引く。だけど、まださっきのガトリングモードの負荷で単発も連射出来ない。

「接近すれば…!!」

「倒せちゃうって思った?」

 剣を構えて飛びかかって来る白鳥さんに足裏を向けてジェットエンジンを全開にする。強烈なジェットの熱と勢いを真正面から受けた白鳥さんが悲鳴を上げる中で、私はもう一度距離を取ってレーザーガンの放熱完了を待つ。

「待て!!」

 だけど白鳥さんもすぐに復活して飛んでくる。しかもさっきまでと違って飛び方がどんどんスムーズになってきてる。

「成長速度が早いってこういう事…和也は、こんなのと戦ってたんだ…」

 私は足裏ジェットを巧みに操って白鳥さんの銃弾を避け、腰だめでレーザーガンを発射する。向こうも向こうで翼を羽ばたかせてレーザーガンを回避してくるしで、私は長期戦を覚悟しながらもう一つのモードにレーザーガンをチェンジさせる。

「カァァァァァァァ!!」

 モードチェンジの隙で反撃が来ないことを確認した白鳥さんが一気に距離を詰めてくる。私は空中でワザとバランスを崩して落下して白鳥さんの銃弾を回避。それを見た白鳥さんは誘いとは気づかず追いかけてくる。

「やはりそんな玩具で、空を飛べるものか!!」

 あざ笑うように右手を銃から剣に変えて突撃してくる白鳥さん。私は放熱が終わっていることを確認し、ジェットエンジンを吹かして急に体勢を整え、接近してくる白鳥さんの懐に銃口を突きつけた。

「ごめんね。白鳥さん」

「なっ…!!」

 一言だけ謝っておいて、私はショットガンモードの引き金を引いた。

「カァァァァァァァ!?」

 ガトリングモードの全弾を至近距離から一気に炸裂させるショットガンモード。このレーザーガンの最終兵器だ。

 大ダメージを負った白鳥さんが地面に落下。ちょうどその隣に、和也を襲っていた白鳥さんも叩き付けられた。

「今助けに…!!って、要らねえのか」

「遅い。でも、ありがと」

 見るからに慌てている和也に悪戯っぽく笑って見せると、和也は茫然としたように立ち尽くしていた。うん、この顔が見れただけでも今は十分かな。

「これで勝ったつもりか、葦原和也、そして天龍寺ヒカリ!!」

「えっ!?」

「プロフェッサーDの声か…!!負け惜しみは見苦しいぞ、スイカジジイ!!」

「変なあだ名を付けるな小僧!!それよりも、見るがいい!!」

 どこからともなく聞こえて来た幹部怪人の声の通り、周囲を見渡してみると今倒したばかりの白鳥さんたちが無傷で立ち上がっていた。

「くっそ。俺以上にゾンビだな…!!」

「その通り!!だがそんな下品な呼び名は止してもらおう!!彼らは不死身の兵隊なのだ!!どれほど倒されたとしても蘇り、倒した相手のデータを元に自己進化する!!既に先ほどまでの強さとは別格!!」

 その言葉の通り、復活した白鳥さんたちのパンチを受け止めた和也が吹き飛ばされてしまう。さっきまでは一対一なら軽々と受け止められていたのに。

「和也!!」

「よそ見していていいのかな?」

「え…!?」

 敵の声に気が付けば、既に私の周囲は翼を生やした二体の白鳥さんに囲まれていた。

「いつの間に…!!」

 咄嗟にレーザーガンの照準を合わせて引き金を引くけど、まだ放熱が終わって居なくてレーザーガンは発射されなかった。

「馬鹿め!!」

「きゃっ!!」

 飛びかかって来た二体の白鳥さん。慌ててフライトスーツで守られた腕で無防備な顔をガードするけど、それでも抑えきれない威力のパンチで私は和也と同じところにまで叩き落とされた。

「ううっ…!!なんてパワーなの…!!」

 急降下でジェットエンジンの安全装置が作動して止まり、何とか緩やかに着地した私。だけど、地面に叩き落とされてしまった。たった一撃で力の差を思い知らされてしまった。

 いきなりのピンチに、思わず和也に縋ってしまう私。だけど和也は立ち上がり、胸を張って頷いて見せた。

「か、和也…」

「安心しろ。喧嘩はパワーだけが勝負を決めるって訳じゃないからな。それに…ようやく見えたぜ!!奴らの弱点!!」



「弱点…だと!?」

『ああそうだ!!天才って称号はスイカジジイには相応しくないみたいだぜ!!』

「ふざけるな!!小僧に何が分かる!!」

 モニターの向こうに怒鳴り散らすプロフェッサーD。それを隣で見つめていたキャプテンZは、和也の言葉を聞いて思わず腕組みする。

(弱点…新型の弱点、か。一体なんだ?あの態度、口から出まかせって訳じゃなさそうだしな)

 改めてプロフェッサーDの提出したレポートを再度確認し、またモニターに写っている現在の状況を再度確認するも、それでもキャプテンZには分からなかった。

「そんなものはない!!どうせ口から出まかせを言って時間を稼ごうと言うのだろうが…」

「一応聞かせてくれないかな?君がそんなつまらない真似するとも思えないのでね」

「何!?キャプテンZ、貴様…!!」

 どうしても答えが気になり、横から口を挟むキャプテンZ。プロフェッサーDは当然怒り狂うも、モニターの向こうの和也は堂々と答えた。

『実際に見れば分かるさ!!見てろ!!』



 俺はどこかで見ているんだろう幹部二人に向けて叫ぶと、ボードブレードを構えて突撃して行く。白鳥怪人たちは剣を構えて迎え撃って来るが、その動きは精彩さを欠いていた。

「な、なんだ!?」

 スイカジジイの戸惑う声をよそに、俺は二体を一刀両断する。まともな反撃すら出来ず爆散する白鳥怪人たちは、また一瞬だけ人間の姿に戻った後、また白鳥怪人に変身する。しかし、今度は立っていることすらままならないと言った様子だった。しかも他の白鳥怪人たちの一部も同じだった。

「あ、もしかしたら…!!」

「ヒカリも気づいたか?じゃ、答え合わせだ。こいつらに投与された新型は、確かにとんでもない進化スピードだ。一度倒されたり、ナノマシンのネットワークに新しい人材が追加されればソイツの分だけ強化される。だけど…」

「その進化スピードに元になった人たちの体が耐えられて無い!!だから、身体が弱い人が元になった白鳥さんから動けなくなっていってるのね!!」

「馬鹿な!!」

 同じく気づいたヒカリの言葉に、スイカジジイが怒りの叫びを上げる。だが真実は一つだ。現に十二体の白鳥怪人の内、半分の六体は既に倒れ込んでしまっている。残っている六体も、その半分は動きがぎこちなくなっている。

「そんなハズは無い!!私の研究は完璧だ!!動け!!動け!!私のイマジネーターたちよ!!」

「無駄だって!!」

 立っているのがやっとな手ごろの一体を切り倒し、その分強化されたナノマシンが白鳥怪人たちの体を蝕む。スイカジジイが基地の中から何やらやっているらしいが、既にイマジネーターたちは水城さんを除いて立つことすらままならない。

「まだだ!!まだ手駒は居る!!行け、実験体第一号!!お前は完璧な肉体を持つ至高のイマジネーター!!お前ならば戦えるはずだ!!」

 スイカジジイの声と共に、水城さんが白鳥怪人に変身して俺達の前に出てくる。俺とヒカリは、その迫力を前に思わず後ずさった。

「…行くぞ。これが最後だ!!」

「うん!絶対に、水城さんを助けよう!!」

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