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英国の旅 - 15
――スコットランド・ヤード
「彼が私の部下、ジェイムズだ。今日一日、ユウと行動するように伝えてある」
「ユウ、よろしくお願いします。早速、目撃者のところに案内しますよ」
「ジェイムズさん、よろしくお願いします」
結局昼間はなんの手がかりも見つからなかった。
この人が頼りだ。
彼はずいぶん若く見える。
俺より幾らか歳をとっているが、まだ20代だろう。
「目撃者はイーストエンドに住んでいる男性です。さあ、行きましょう」
「私はこれから仕事でついていけないが……。気をつけて行ってくるんだぞ」
アーサーはジェイムズの肩を叩きながら俺たちに言った。
見送る彼を背中に数歩歩き出した時、一人の警察官がアーサーに呟いたのを聞いた。
「ホワイトホールで、頭部のない女性の遺体が見つかりました。ジャックの可能性が高いです」
ジャック。
またアイツが!
直後、後ろからアーサーの声が響いた。
「ユウ、ユリ、すまないが、目撃者の所へ行くのは明日にしてくれ! ジェイムズ、すぐにホワイトホールへ向かえ! 」
ジェイムズは敬礼し、走り去った。
俺も切り裂きジャックのことは無視できない。
考えたくはないけれど。
もしかしたら、伯爵と関係があるのかもれない。
「わかりました。その代わり、俺たちも行っていいですか? 」




