船旅 - 7
「アレックス、貴方は引き続き此処で聞き込みをして頂戴。私とユウは船の中を聞いて回りながら、あの子を探してみるわ」
レオナが純金の如き髪を揺らしながら言った。
アレックスは深い溜息の後、小さく何度も頷いた。
「さあ、行くわよ! 」
勇み足でホールから立ち去ろうとする彼女の後を追おうとする。
「ユウ、レオナ様のこと頼むぞ……。大丈夫、あの女の子はきっと無事だよ。迷子にでもなっているんだろう」
アレックスはそう言って俺の背中を少し……いや、かなり強く叩いた。
「ユウ! 何しているの!? 」
「はい! 今行きます!! 」
友里、何処に居るんだ。
デッキには見当たらなかった。
このホールにも。
広い船だ。なんのヒントもなく探して回るのは、少々無理があるかも知れない。
しかし、そんな心配など微塵もないと言わんばかりに彼女は歩みを進める。薄暗く、人気の無い方へ。
「レオナ、何処に向かっているんだ? 」
「さあ? でも、じっとしているよりはいいでしょう? 」
まあ、確かに。
その通りだけど。
なんというか……、執事であるアレックスの苦労が伺えた。
しばらく、人の少ない方へと進むと下へと降りる階段を見つけた。
この先に友里が居るのだろうか。
階段を無視して薄暗い廊下を進むレオナを引き止める。
「この先に何があるか知ってるか? 」
「いいえ、何があるんです? 」
彼女は首を左右に振って言った。
その拍子に、バレッタ(髪留め)が外れ、階段を転がり落ちた。
からんからんと乾いた音がした直後だった。
「誰だ!!! 」




