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アニメのお仕事・改  作者: 万卜人
#7 タイミング・シート乱れ打ち!
97/213

皮算用

 新庄は楽な姿勢になると、口を開いた。


「【タップ】は危ねえってのは、本当だ。

 何しろ、外注の支払に、三ヶ月の先付け手形を切っているほどだからな。外注先からは、ぶうぶう文句を言われているよ。

 しかし『蒸汽帝国』が、きちんとオン・エアされれば、事情が違ってくる。何しろ、【タップ】制作って冠がつく……。


 今までの【タップ】は、大手の下請け、孫請けだったが、今度は元請だ! 代理店と直で取り引きできるんだ!

 もう、上の制作のピン撥ねなんか、一切ねえんだ……。それに、著作権料も入ってくる。それもこれも、『蒸汽帝国』がきちんと制作できるってえ、前提なんだ……」


 一気に捲くし立てると、背中を反らして、じろりと迫力ある目付きで全員を睨みつけた。

 新庄の目付きには「文句なんか言わせねえぞ!」と、無言の圧力が籠められている。


 市川は、ある疑問を口にした。

「どうして【タップ】が元請になれたんだ? 今まで下請けばかりだったんだろう?」


 新庄は苦笑いをした。

「木戸さんが、おれと同期だったからだよ! あいつとおれは、大学の漫研仲間だったんだ! あいつの口利きで【タップ】制作が決まったんだ!」




 今度こそ、全員に衝撃が走った。




 なぜか、市川に笑いの衝動が湧き上がる。

「な、な、なあーる、ほど……。あんたと木戸監督が同期の桜って、知らなかったよ!」

 けたけたと気違いじみた高笑いをする市川は、なぜこんなに可笑しいのか、自分でもさっぱり判らない。

 苦々しげな新庄、呆然とこちらを見ている洋子や、山田の視線を感じると、さらに爆笑の発作が襲う。

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