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アニメのお仕事・改  作者: 万卜人
#7 タイミング・シート乱れ打ち!
93/213

お仕事

「どうしよう! 憶えていないぞ!」



 市川の叫びに、全員が顔を見合わせた。

 新庄が大声を上げる。

「それがどうした? 名前くらい、別に大した問題じゃないだろう? 三村君は、三村君。健介王子様でいいじゃないか?」


 いかにも新庄らしい、雑駁な結論だった。




 ──王子様の名前はアラン王子や……。




 部屋に響いた〝声〟に、全員飛び上がった。




 ──しっかりしてくれんかな? そんな曖昧な記憶じゃ、お仕事を任せられん。




 市川は、むっとなって言い返した。

「なんだよ、お仕事って?」

〝声〟はすぐさま、反応した。




 ──アニメのお仕事や! あんたら、冒険だけしとったらええと、呑気に思ってるんやないやろな?




 洋子は目を光らせる。

「違うの? あんた言ったじゃないの。あたしたちが行動して、ストーリーを進めろ、って。他に何をしろ、って言うの?」




 ──さっきも言ったように、アニメのお仕事や! これからあんたらが向かう隣国、バートル王国の設定と、王子様と出会うお姫様。王国の大臣、王様、兵士、一切合財が全て必要や。そうでないと、隣国は存在せえへん。





 立ち上がった市川は、手足を振り回し、喚いていた。

「そんなの、無理だ! 木戸監督と打ち合わせしていない! 打ち合わせなしで、設定するなんて、無茶もいいところだ!」


〝声〟は冷酷に返答した。




 ──無茶でも何でも、やりなはれ。どんな設定しても構わん。とにかく、ストーリーが進行するのが大事やからな……。




 遠ざかる〝声〟に、市川は「待ってくれ!」と叫んだが、無駄であった。

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