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アニメのお仕事・改  作者: 万卜人
#7 タイミング・シート乱れ打ち!
92/213

役名

 三村の顔が、見る見る不安に歪む。ぶるぶると、何度も、否定に横に振られた。


「ぼ、僕……知りません! そうだ、僕、何て名前でしたっけ?」


 洋子が呆れて声を上げた。

「三村健介でしょう? しっかりしてよ、自分の名前も思い出せないの?」


 三村は今度は大きく首を振る。

「いや、そうじゃないんです。僕の言いたいのは、役名ですよ! この世界の、ボーラン帝国の五番目の王子としての役名です。ほら、新庄さんは帝国軍でシン中佐と呼ばれているじゃないですか!」




「あ!」と全員が顔を見合わせた。




「そうだ! アニメのキャラクターなら、名前があるはずだよ! おれたち、最初から軍隊に応募するとき、本名を使っていたから気にしなかったけど、うっかりしてた……」


 市川は、無意識に、頭をがしがし掻いていた。本来なら、応募する際、アニメのキャラクターの名前を名乗るべきだったのだ。


 山田は市川に向き直った。

「市川君は、王子様とか、お姫様のキャラクター設定をやったか?」


 市川は首を振った。

「まだ、やっていない。何しろ、王子様の出てくる話数は、かなり後になるからな。おれのやったのは、最初の二話三話だけだ。原作では……」


 市川は脳裏に、木戸純一による『蒸汽帝国』の原作を思い浮かべていた。




 思い出せない!




 愕然となった。確かに、原作は読んでいるはずなのに、名前が浮かばない……!

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