表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アニメのお仕事・改  作者: 万卜人
#6 怒涛の香盤表
81/213

警備隊長

 市川の頭には、全身の血が、かっと昇っていた。目も眩む怒りに、すでに周りに気を回す心の余裕など完全に吹き飛んでいる。


 呼びかけられた王子──三村健介は見るも無残に今までの態度を急変させ、おろおろぶりは、見っともないほどであった。


 三村の視線が、睨みつける市川の目と合った。


 瞬間、三村の長い顎がだらりと下がり、両目が大きく見開かれた。さっと顔色が白くなり、まるで音を立てて血の気が引いていくようだった。




「すっ、すみませんっ! 僕が悪いんです! ご、御免なさいっ!」




 頭を抱え「ひいーっ!」と笛が鳴るような悲鳴を、長々と上げた。

 王子の急変ぶりに、パレードは凍りついた。蒸気自動車は急停止し、運転している兵士と周りを警護している騎馬隊全員が、何事かと厳しい表情で周囲を窺っている。




 遂に警備隊長の視線が、王子を睨みつけている市川の顔に止まった。さっと腰の指揮刀を抜き放ち、剣先を突きつける。


「そこの兵士っ! 何を騒いでおるっ?」

「へっ?」と、市川は我に帰った。


 きょろきょろと辺りを見回すと、演壇の顕官、王族、将軍たちが一斉に厳しい視線で睨みつけているのに気付く。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ