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アニメのお仕事・改  作者: 万卜人
#1 嵐を呼ぶ企画会議
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キャラクター設定

 洋子は市川の真向かいに座り、両手に一冊の薄っぺらいマンガ本を手にし、視線を紙面に落としながら口を開いた。


「市川君は、どうなのよ?」

「少しは、な!」


 得意そうに市川は答え、バッグの中から一冊のクリア・ファイルを取り出した。クリア・ファイルの表紙には『蒸汽帝国・メイン・キャラクター表』とタイトルがあった。


 洋子がマンガ本をデスクに置き、手を伸ばして市川のクリア・ファイルを取ってぱらりと開く。透明なクリア・シートに挟まれ、市川の描いたキャラクター表が天井の明かりを受け、顕わになった。


「何よ、少しどころじゃないじゃない……」


 洋子の声に「どれどれ」と山田は窓から身を翻し、デスクの上に視線を落とす。

「ほお」と感心するように唇を丸くする。


「凄いな、こんなに描いたのか……」


 二人の賛嘆の声に、市川は有頂天になっていた。人から誉められると、すぐその気になる性格で、単純といえばいえる。


 市川の描いたのは、数人のキャラクターである。全身、顔のアップ、小物など、様々なキャラクターがいろんなポーズで描かれている。いわゆるキャラ表という奴で、原画マン一人一人にキャラ表が配られ、原画マンは描かれたキャラクターの指示を守り、作画する。


 しかし原画マンによっては、様々な癖が出る。それを修正するのも、作画監督の仕事である。市川の描いたキャラ表は、クリア・ファイルを、ほぼ半分ほど占めていた。

 一枚一枚、丁寧に見入っていた洋子は、最後のページになって顔を赤らめた。


「ちょっと、これ、何なのよ?」

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