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アニメのお仕事・改  作者: 万卜人
#6 怒涛の香盤表
77/213

大問題

 市川は新庄の態度に少し気押され、考え考え答える。

「えーと……確か、森の中でおれたちと同じ主人公たちが目覚めるんだ。そこで、お姫さまを襲う怪物と戦って、やっつける……」


 山田は顔を顰めた。

「なーんて月並みな出だしなんだ。お姫様を襲う怪物だって? それを主人公が戦って救うのか? 百万年前も昔のパターンじゃないか!」



 新庄は、ぽつり「そうか……」と呟いた。

どこか放心したような表情に、市川は不審を抱いた。



「どうしたんだい、新庄さん。木戸さんが原作と違う絵コンテを描いたのが、そんなに気になるのか?」


 新庄は市川の質問に、ぐいっと顔を上げて、ぶるぶるっと大きく首を振る。

「知らん! おれは、何も知らん!」


 大きく叫ぶと、べろりと顔を撫でた。気を取り直したように肩を竦め、宣言する。

「さあ、おれたち、元の世界へ戻るため、頑張ろうじゃないか! もっとも、何をどう頑張ればいいのか、さっぱり判らないがね」


 にやりと笑いかけると、それまで腰掛けていたデスクから、ぴょんと床に飛び降りた。

「君たち、おれの手配で近衛中隊に入隊するんだ! いいな? これは原作どおりだぞ」


 じろりと全員を見据える。市川たちは、新庄の気迫に、一斉に点頭をした。




 市川は、新庄がさっきの話題を大急ぎで変えようとしているように思えた。木戸が原作と違う展開で絵コンテを描くのが、新庄にとって大問題であるようだった。




 なぜだろう?

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