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アニメのお仕事・改  作者: 万卜人
#6 怒涛の香盤表
76/213

発端

 市川は呆れて、ぽかんと口を開いた。判ったような、判らないような、奇妙奇天烈な論理である。


「それじゃあ、何かい? おれたちが無闇無鉄砲に動けば、そのうち三村が、おれたちの目の前に現れるって、あんたは保証するのか?」


 山田は大きく頷いた。

「おれは、そう思っているがね」

「ふうん」と市川は唇を突き出す。と、ある事実を思い出した。


「それにしちゃ、ちょっと変だな」


 洋子が市川の様子に顔を上げた。

「何が変なの?」


 市川は洋子に顔を向け、答えた。

「木戸さんの絵コンテ。ほら、演出部屋でたった五枚しか描かれてなかったろう? 多分、最初の場面だと思うんだが、おれが見た絵コンテは、原作と全然、違ってた」


 市川の言葉に「え?」と反応したのは、新庄だった。新庄は市川を睨みつけるようにして話し掛けた。


「そりゃ、本当か? 原作と違っているって……?」

「うん。原作は皆、知っていると思う。まず、酒場でおれたちが出会う場面だ。実際、おれは酒場で、最初に山田さんに出会って……」

「あたしを見つけた」と洋子が市川の話を受ける。


 市川は頷いた。

「そうだ。全く、原作と同じだ。だが、木戸さんの絵コンテは、違ってた。おれの覚えのない場面だったな」

「どんな場面だった?」


 新庄は真剣だった。身を乗り出し、市川の言葉を全身で聞いている。

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