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アニメのお仕事・改  作者: 万卜人
番宣《コーヒー・ブレイク》・その一
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時間

「おれに、何をしろと言うんだ……」




 ──やっと素直に話を聞ける状態になって、ほっとしましたわ……。




〝声〟は、わざとらしく安堵の溜息をついた。




 ──絵コンテや! 時間は、たっぷりありまっさかい、あんたの気の済む限り、描いておくれなはれ……。




「絵コンテ?」

 木戸は大声を上げた。


「馬鹿を言うな! おれは絵コンテが描けなくて、逃げ出したいほどだったんだ! 今更、描いて下さいと言われて、はいそうですかと描けるわけない……」




 ──そうやろか? 本当にでけへん――と、あんた言うのでっか?




〝声〟の調子が変わった。猫なで声のような、あるいは誘惑するかのような声音に、木戸は、自分のうなじが、ぞわぞわと逆立つのを感じる。




 ──まあ、やってみなはれ。でけるか、でけんか、試して見るのもええや、おまへんか……。時間は、たーっぷり、ありまっさかい……。




 徐々に〝声〟は遠ざかる。




「おい、待てよ! おれを一人ぼっちにするなよっ!」


 ぱっ、と頭上から出し抜けに光が降り注ぎ、木戸は両手を顔に押し当てた。目の眩むほど、強烈な光だ。


 やがて目が慣れてきて、木戸は辺りを見回した。

 四角い四畳半ほどの小部屋。




【タップ】の演出部屋だった。

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