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アニメのお仕事・改  作者: 万卜人
番宣《コーヒー・ブレイク》・その一
46/213

神でも悪魔でも……

 ──木戸はん……。



 木戸は、ギクリと身を強張らせた。

 あの〝声〟だ。


 どっと記憶が蘇る。演出部屋で、雷鳴の中、破れかぶれで叫んだ瞬間、奇妙な光に包まれ〝声〟が聞こえてきたのだった。


「誰だ!」


 誰何し、キョトキョトと宙に視線を彷徨わせる。




 ──誰でもおへん。わいは、ただの管理人。あんさんに少し、頼みがおますのや……。




「頼み?」

 馬鹿のように鸚鵡がえす。




 ──そうや。あんたでしか、でけへん仕事なんや。




「仕事?」




 ──なんや、阿呆になったんか? わいの台詞、繰り返すだけやないか? しっかりしてくれんかな……。




〝声〟は一時、木戸の様子を窺うように言葉を切った。やがてもう一度、話し掛けた。





 ──木戸はん。あんた、言うたやないか。この窮地を救ってくれるなら、神でも悪魔でも構いまへん、ちゅうて……。




「神でも悪魔でも……」

 思わず繰り返した木戸の胸に、再び恐怖が込み上げる。耳もとで囁く〝声〟は、どう考えても、神様とは思えない。

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