関西弁
──夢や、おまへんで……。
モチャモチャした関西弁に、三人はギクリと身を強張らせた。
あの〝声〟だ!
──『蒸汽帝国』が結末がないままアニメ化されましてん。
仰山のお人が、木戸はんの『蒸汽帝国』ちゅう世界を共有して、この世界が生まれましたんや。このまんまだと『蒸汽帝国』は未完成になってまう。
そりゃ敵わんちゅうこって、あんたらを呼び寄せたちゅう話しでおま。
「その関西弁をやめなさいよっ! あたし、これでも関西出身なのよっ! あんたのインチキ臭い関西弁を聞いていると、苛々しちゃうわっ!」
──ほな、失礼します。ほんでも、この口調、わいの地ぃやからしゃあないな。我慢しとくれまへんか?
洋子の怒りの爆発にも、蛙の面になんとかで、〝声〟は、しゃらっと言葉を続けた。
──あんたらにして欲しいのは、なんとか『蒸汽帝国』のストーリーに結末をつけて貰いたいんや。お願いでけまっか?
市川は仰天した。
「ストーリーに結末をつけろ? 馬鹿を言うな! それは木戸監督に言えよ!」
──その木戸監督はんが手ぇ上げてしまったさけ、あんたらに白羽の矢が当たったちゅうわけだす。