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アニメのお仕事・改  作者: 万卜人
#4 衝撃のキャラ設定
38/213

夢?

 ばたり、と洋子は両手を下ろし、首を振った。

 きらりと目が光ると、市川を睨む。


「な、何だよ……?」


 市川は吃驚して顔を挙げ、心持ち後ろに下がった。

 ずい! と洋子は一歩前に進むと、まじまじと市川の顔を睨みつけた。


「この格好、あんたが悪戯で設定したあたしよね? あんたも、山田さんもあの悪戯書きそのままなのは、全責任があんたにあるんじゃないの?」

「よ、よせよ……」


 じりじりと洋子に迫られ、市川はいつしか建物の壁に背中を押し付けていた。


「どうして、あたしたち、アニメの絵になっているの? 答えなさいっ!」

「し、知らねえっ! 本当だっ!」

「洋子ちゃん。もう、その辺にしとけ」


 見かねて、山田が洋子の肩を掴んだ。洋子はさっと手を上げて山田の腕を振り払う。


「あんたたち、さっきからここが『蒸汽帝国』の世界だって何遍も言ってたじゃないの。どうしてそんな気違いじみた話、信じられるの?」


 山田が「やれやれ」とばかりに首を振った。


「そりゃ、辺りの景色を見れば即座に判るさ。建物の形や、様子は、おれが美術設定した『蒸汽帝国』そのものだしな。なあ、市川君?」


 市川は急いで同意した。


「そうだ。今までチラリとしか見ていないが、店に踏み込んできた警官隊の服装も、おれが設定したデザインそのままだ。何から何まで木戸さんの『蒸汽帝国』なんだよ!」


 洋子はヒステリーを起こしたように金切り声を上げる。


「だから、何でそんな阿呆らしい事態になっているの? これは夢? 夢ならいつ覚めるの?」

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