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アニメのお仕事・改  作者: 万卜人
#3 驚愕のアバン・タイトル
34/213

省略

 もくもくと煙が三枚の繰り返しで作画され、時々乱闘を続けている客たちの手足や、顔の一部が見えている。


 本当に数十人の乱闘を動画で表現するのは至難の業で、「何か大騒ぎが起きているんだぞ」と、視聴者にメッセージを伝える目的の表現だ。動画枚数も節約できるし、テレビ・シリーズでは、よく見かけられる画面である。


 山田と市川は、その煙に飛び込み、洋子と思しき女剣士を探した。飛び込むと、すぐに洋子が見つかった。

 これも、アニメの省略だ。


「おい、洋子ちゃん!」


 ぐい、と女剣士の腕を引っ張り、山田が声を掛ける。

 呼びかけられ、女剣士の表情が驚愕に歪んだ。


「あ、あたし?」


 市川は、止めを刺した。

「宮元洋子。君の名前だろ?」



 洋子は「はっ!」と自分の頬を両手で押さえた。目を丸くして市川と山田の顔を凝視する。



「あんた……市川君、それに、山田さんよね?」

「そうだ! 思い出したかっ?」



 山田が大声で叫び返した。



「ど、どうなってんのよ……変な〝声〟が聞こえたかと思ったら、後は何も判らなくなって……。ここ、どこよ?」



 市川は周りの騒音に負けじと大声を張り上げた。



「『蒸汽帝国』の、最初のシーンで出てくる酒場だ! 原作そのままだ!」

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