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アニメのお仕事・改  作者: 万卜人
#1 嵐を呼ぶ企画会議
3/213

スケジュール表

 入ってすぐのところにパーティションがあって、そこには【タップ】が過去に制作したアニメ番組の宣材ポスターが何枚も貼られている。

 とはいえ、【タップ】がメインで制作した訳ではない。

 ほとんどが下請けで制作したものばかりだ。


 制作室に入ると、目の前にスケジュール表を書いたホワイト・ボードが壁に架かっている。ボードにはマジックで「打ち合わせ」「作画イン」「回収」「スキャニング」「編集」などの文字が様々な色で書かれ、その間には矢印が何本も引かれている。


 アニメの制作がデジタルに移行して、それまでのフィルム撮影は完全に姿を消した。以前のスケジュール表には、「撮影」「現像」などの文字があったが、今は「スキャニング」が替わりに記されるようになった。


 市川は眉を顰めた。


「誰もいねえのか……?」


 独り言を呟くと、ぺたぺたとスリッパの音を響かせ、ずらりと並んだ制作デスクの間を歩いていった。


 デスクにはそれぞれ、パソコンが用意されている。


 アニメにコンピューターが導入されて長い。制作室の片隅には、大き目のサーバーが、でん、と設え、微かなアクセスの音を響かせていた。パソコンの画面には【タップ】のシンボル・キャラクターのスクリーン・セーバーが、ゆっくりと画面をランダムに動いていた。


 と、市川の足が止まる。


 灰色のデスクの向こう側から、両足が突き出している。両足の持ち主は、スチール椅子を何脚も並べたその上に、ひょろ長い身体を横たえていた。

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