表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アニメのお仕事・改  作者: 万卜人
#3 驚愕のアバン・タイトル
29/213

鏡!

「とにかく、やたら妙な事態が起きているのは確かだ。おれたち、本当にアニメの世界にいるのか? こりゃ、夢じゃないのか?」


 市川は山田の忠告に従い、小声で囁いた。

 山田は「ふむ」と唇を歪めた。じろじろと店内に目をやる。




「確かに、アニメの世界だな。背景は、おれが描いた酒場の設定そのまんまだし、タッチも、おれが指定しそうなものだ……。おれたちだって、アニメの絵になっている……。君の顔も、あの悪戯書きのキャラクターそっくりだ」



 市川は慌てて自分の顔を撫で回した。手で触れた自分の顔は普段のままだが、鏡がないから判らない。




 鏡!




 市川は自分の物入れを探った。ごちゃごちゃと小物が入れられ、どうやら鏡らしき平たい物体を掴み上げた。

 取り上げると、表面がキラリとランプの明かりを受け、輝いた。怖々と自分の顔を映し出す。



「ひえっ!」



 そこにあったのは、確かに自分が悪戯書きをしたキャラクターそのままだった。いつも吃驚したように飛び出した両目と、こけた頬。


 自分の顔が、こうして描かれているのを目の当たりにして、どうしてもっといい男に描いておかなかったんだろうと、後悔が押し寄せる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ