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アニメのお仕事・改  作者: 万卜人
#3 驚愕のアバン・タイトル
24/213

線撮り

 線撮りだな。


線撮りは原画そのものを、指定されたタイミング・シートに従い、撮影する方法だ。【白味】や絵コンテ撮りに比べれば、まだしも声優は演技がしやすい。しかし、非常手段である事実には変わりがない。



「おおい! 注文を間違えるな! ビールを十杯! つまみのチキンを五人分だ! 早く持って行け!」



 親爺の声は、どこかで聞いた覚えがある。

 なんだか聞き慣れた声音だが……。



 真っ白な色のない画面に、不意に色が着色された。線がくっきりとして、背景もちゃんと見えてくる。



 ほほお、やっと【色】が着いたか……。



【色】が着く、とはアニメのキャラクターにちゃんと色が彩色され、背景も揃った完全な画面になるのを、言う。


 アニメの制作進行にとっては、きちんと【色】が着いた状態でアフレコに持っていけるのは、制作がきっちり滞りなく進行した証拠であり、誇りでもある。


 がやがやと酒場らしい騒音が耳に届き、鼻腔に料理の旨そうな匂いが飛び込んできた。



 料理の匂いだって?



 ふと手許を見る。自分の両手だ。

 しかし変だ。妙にのっぺりと見え、線が見える。



 アニメの画面そのままだ!



 おいおい、どうなってるんだ……。

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