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アニメのお仕事・改  作者: 万卜人
#3 驚愕のアバン・タイトル
23/213

白味

 真っ白な光が満ちている。

 そこに一本の線が現れた。赤い一本の線。線が出現するとともに〝声〟が聞こえる。



 ──ええか、あんたらをあっちへ送り込むけど、これは非常手段や。わしはこんな阿呆らしい仕事、したくなかったんやけど、しゃあない。ま、あんたら、自業自得といっていいかもしれんがな……。



 ああ、【白味】だな……。そんなにスケジュールがきつかったのか……。



 ぼんやりと感想を憶える。【白味】とは、アニメのアフレコの時に画面が間に合わず、何もない画面に、声優の切っ掛けを色のついた線で示す方法である。

 アニメのアフレコに関わらず、キャラクターの動きも、どんな画面なのかも判らないから、声優にはとんでもなく不評である。こんな手法は、日本だけであり、他の国のアニメ制作では、とうてい考えられない。



 じわじわと真っ白な世界に、単純なラフ画面が出現した。画面はごちゃごちゃとした酒場の場面であった。



 絵コンテ撮りか……。さっきより、ちょっとはマシになったな。



 演出家の描いた絵コンテを直接、画面に現す方法である。絵コンテの右端には、画面の秒数が書き込まれている。その秒数に合わせ、画面を表示する。


 これが、絵コンテ撮り、あるいはタイミング撮りと呼ばれている。【白味】とともに、スケジュールに余裕のない状態の時、採用される方法だ。



 酒場の親爺らしきキャラクターが、色のない線画で表れる。ぱくぱくと口のところだけ動き、親爺の声が聞こえてくる。

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