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アニメのお仕事・改  作者: 万卜人
#2 戦慄の文芸担当
21/213

〝声〟

 ──あんたら、困ったことをしてくれたなあ……。えらい迷惑や……。



 市川は、初めて恐怖を感じていた。

 今の〝声〟は、何だ?

 口調は関西弁である。いや、そう聞こえるが、どうにもインチキ臭い、関西弁だ。外国人が、無理矢理関西弁を喋っているような、ぎこちなさを感じる。



 ──誰だ?



 市川は頭の中で問い掛けた。他に方法はなかった。答があるとは思っていなかったが、〝声〟は即座に返答をしてきた。



 ──わしか? まあ、管理人とでもいいましょうか、世話人とでもいいましょうか。まあ、下働きのようなもんや。あんたらのドタバタで、わざわざ出張ってこないとならんようになってしもうた。



 モチャモチャとした口調で〝声〟は、ぼやいている。



 ──今の何? 誰が喋っているの?



 市川の頭の中に、洋子の声が響いた。



 ──宮元さん、あんたか?



 市川は、洋子を姓で呼ぶ。山田や、新庄が「洋子ちゃん」と呼びかけているので、一度だけ真似して呼びかけたら、洋子は怒りを込めた視線で睨みつけてきて、返事もしなかった。

 それ以来、「宮元さん」と呼びかけている。



 ──どうなってんだ? 動けない!



 今度は、山田の声だった。いつもの山田に似合わない、恐慌が声に含まれている。



 ──すみません、御免なさい、僕が悪いんです……。



 必死に謝罪の言葉を繰り返しているのは、言うまでもなく、三村だ。こんな状況に関わらず、相変わらず謝り続けている。



 ──木戸! おめえの仕業か?



 問い詰めているのは新庄だ。口調は荒っぽく、怒りが満ちている。

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