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アニメのお仕事・改  作者: 万卜人
最終話 痛撃の最終チェック・納品!
197/213

部品

「凄え……。特撮映画みたいだ……」


 呆れて市川が呟くと、洋子は猛然と噛みつくように喚いた。

「馬鹿っ! あんた、いつまでオタクみたいな言い方しないでよっ! あたしたちが危ないの、判ってるの?」

「判ってるよう……」


 市川は、ちょっぴり、反省した。


 飛行船が近づき、船腹の扉がぱっくりと開くと、何かを放出する。

 市川は喜びの声を上げた。


「待ってました! タイミング、どんピシャリ!」


 空中に投下されたのは、幾つかの機械部品である。部品にはパラシュートが付いていて、空中で傘が開くと、ゆらゆらとした動きで、地面に近づいてくる。

 どすん、と鈍い音を立て、部品は無事に着地する。市川たちは慌てて走り寄り、部品を確かめる。

 大丈夫、どこも壊れていない!


 ぴぴぴぴ……と、部品のパイロット・ランプが点灯し、部品は自らの力で、地面を這いずるように動き出し、集まり始めた。


 意思あるかのように、部品はお互いの接続部分を近づけあい、くっつきあう。ばらばらの部品同士、固まり合い、次第にある形を作り出す。

 市川は頼もしい思いで、完成に向かう、機械部品を見上げていた。


 洋子、山田、新庄の三人は、呆気に取られ、馬鹿のように口をぽかっと開いたまま、立ち尽くしている。


「まさか、本当にこんなものが……」


 新庄は小声で呟いている。山田は肩を竦め、「処置なし!」とでも言うように、両手を上げて首を振っている。

 洋子は唇を皮肉そうに歪め、両手を腰に当てて見守っていた。

 市川は口をにーっ、と真横に引き結び、満足した思いを胸に全員に振り返った。


「さあ! エンディングまで、まっしぐらだ! やったろうじゃねえか!」

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