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アニメのお仕事・改  作者: 万卜人
#12 開戦! カッティング
170/213

科学考証

 会合地点から反転し、ドーデン軍は勇躍、バートル国との戦闘が予想される会戦地を目指して進軍を続けていた。


 偵察機を先行させ、バートル国はドーデン帝国との国境付近に集結しつつあるのを確認する。おそらく国境地帯の山岳部を掩蔽えんぺいとして布陣するのだろう。

 偵察機は空中から、バートル国の進軍の様子を克明に撮影して、無線で送信してきた。

 泥縄ではあるが、市川と山田は、ドーデン帝国の設定を、社会風俗は十九世紀末で、科学技術は二十世紀始めという設定から、もう少し進んだ、二十世紀中葉頃に設定し直していた。


 いや、もしかしたら、もっと進んでいるかもしれない。


 二人がいる空中空母の艦橋は、完全な閉鎖式で、外部の眺めは、空母に何箇所も設置されている、テレビ・カメラが撮影した映像を、巨大な平面スクリーンに投影する方式を採用している。

 しかもカラーだ! スクリーンのテクノロジーだけ見れば、明らかに二十世紀末の液晶モニター技術が不可欠である。科学考証に突っ込みを入れたがるマニアの「ほほお……平面スクリーンですか!」という嘲りの声が、市川には聞こえてくるが、目をつむる。


 周りの計器は、わざと一九五〇年代のSF映画から脱け出たような、丸い針式で、クラシックな趣きを演出している。しかし艦橋の大部分を占める巨大モニターには、無数の数値や、グラフが外部の景色に同時に表示されていて、そこだけはいかにも、今風のSFアニメである。


 山田はあくまで十九世紀風の、帆船の内部のような艦橋にすべきだと主張したのだが、やはり、このほうが、実際にアニメになった場合、見栄えがいい。さらにぶっちゃけて内情をさらすと、このような巨大スクリーンを設定しておけば、レイアウトを兼用して、作画枚数を節約できる。

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