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アニメのお仕事・改  作者: 万卜人
番宣・その四
165/213

天啓

 机の上に、設定が次々と現れ、木戸は一枚一枚、とっくりと眺め、怒りが込み上げてくるのを感じていた。


 奴ら、いったい、何て馬鹿な設定を起こしやがったのか? 完全に『蒸汽帝国』をギャグにするつもりだ!


 絵コンテは終盤に差し掛かり、クライマックスのドーデン帝国軍と、バートル国軍による決戦が近づいていた。

 エリカ姫はアラン王子への愛情と、祖国への愛に引き裂かれ、やがて来る破局へ向け、ドラマは一気に盛り上がる……はずだったのだが、肝心の帝国軍の兵器、装備は、まるで見当外れの設定ばかりだ。


 これでは、どう考えても、コメディにしかならない。戦闘は、ドタバタ・スラップ・スティックになって、緊張感なんか、一欠片も存在しない。


 木戸は設定をむんずと掴み、びりびりびりと音を立て、引き裂こうと……した。

 が、急に木戸の気が変わった。設定書を再度じっくり眺めた途端、新たな展開が頭の中に、まるで稲妻のように閃いたのである。




 ふうむ……?




 最後の一枚。それはバートル国を支配する謎の【導師】と呼ばれるキャラクターであった。

 どうやら【導師】は魔法使いらしい。禍々しい衣装に身を包み、奇妙な台座を占拠している。

 木戸の頭の中には、戦闘はバートル国側の敗北に終わり、帝国軍が侵攻する危機に、【導師】が正体を現し、最終決戦にもつれ込む……という展開を思い浮かべていたのだが……。


 しかし、どうにも帝国軍の嵩に掛かった戦い方が気に食わず、どうしようかと迷っていた。これでは、ただの戦争賛美アニメになってしまう。

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