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アニメのお仕事・改  作者: 万卜人
#10 逆襲! リテークの嵐!
149/213

訂正

 絵里香の表情が虚ろになり、言葉が台詞の棒読みのようになる。三村は「導師様?」と聞き返す。絵里香はがくり、と頷いた。


「導師様が仰ったの……。ドーデン帝国は、バートル国を我が物にせんと、アラン王子を使わした……。アラン王子との結婚は、バートル国の衰亡をもたらす……」


 山田が相槌を打つ。

「どうやら、バートル国は、導師様とやらが精神的支配を治める、神聖王国のようだな。その導師様が、エリカ姫に奇妙な考えを吹き込んだみたいだ……」


 そこまで言って、不意に笑いを浮かべた。

「これは、面白くなった。もしかしたら、その導師様という存在が、ストーリーに重要な役割を果たすようだ。どうだい? エンディングが見えてきたじゃないか?」


 山田は市川を見た。

「導師様というキャラクターの設定をする必要があるな、市川君」


 急に話題を振られ、市川は戸惑った。

「おれが?」


 山田は頷いた。表情に熱意がこもる。

「そうさ、導師様が、もしかしたら、ストーリーの最終的な敵なのかもしれない。ファンタジーの常道さ」


 新庄が皮肉そうな表情になった。

「勧善懲悪か?」


 と、いきなりドアが外側から激しく叩かれる音が響く。ドアの向こうから騎馬隊長の声が聞こえてくる。


「王子殿下っ! ただ今、ドーデン王宮に無線連絡を取ったところ、元老院と平民議会は満場一致で、バートル国への宣戦布告を決議いたしました!」

 バタンっ、と大きな音を立て、ドアが開かれる。騎馬隊長が興奮も顕わに、背筋をピンと伸ばして敬礼をしていた。

「ドーデン王立空軍、陸軍は、現在バートル国に向け、進撃を開始しておりますっ!」

 山田が新庄に向かって訂正した。


「いや、戦争アニメの展開だな」

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