表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アニメのお仕事・改  作者: 万卜人
#10 逆襲! リテークの嵐!
139/213

焦り

 市川は無我夢中で飛び出していた。

 ちらりと視界の隅に、洋子も同じように飛び出すのを認めていた。

 がきーんっ! と三人の剣が交錯し、危うく市川は、三村の脳天に殺到した姫の剣を受け止めていた。


 姫は背後の護衛兵たちに叫んでいた。


「皆の者! このアラン王子は、ドーデン帝国の尖兵ぞ! 妾との婚儀にかこつけ、いずれはバートル国を併合しようとする、意図は明らかである! 国を愛する気持ちがあれば、わらわと共に戦うべし!」

 それまで呆然と突っ立っているばかりだった護衛兵の間に、姫の喚き声は電流のように貫いた。

 ふらふらと彷徨っていた柄に置かれた手が、がっしりと握りしめられ、ざあっと津波のように剣を抜き放つ。


「うぬうっ!」と、騎馬隊長は興奮に顔を真っ赤に染め、剣を引き抜いた!

「者供っ! 王子をお守りしろっ!」


 わあっ! と一斉にドーデン側の護衛兵たちが叫び返し、バートル国側に突進する。

 がきーんっ、ちゃりーんっ! と、広間に数十人が一斉に切り結ぶ剣戟の音が響いた。


 市川と洋子は、夢中になって三村を守りながら、エリカ姫の攻撃を受け止めていた。


「ま、待てっ! 戦いはならん!」

 広間で、ターラン大公がおろおろ右往左往しながら、弱々しい叫び声を上げていた。

 だが、もはや誰も、大公の叫びに耳を貸す者はいない。




 糞! どうすればいいんだ……。




 市川は、大いに焦っていた。

 姫の攻撃を受け止め、刃を受け流す。だが、ただただ防御に徹するだけで、逆襲など考えも浮かばない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ