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アニメのお仕事・改  作者: 万卜人
#10 逆襲! リテークの嵐!
135/213

鋼鉄の舌

 もう一杯、お替りしようとした刹那、市川の脳天から延髄に掛け、恐ろしいばかりの衝撃が駆け抜けた!



「くわあああああっ!」



 市川は、ぴょん、とその場で胡坐あぐらの姿勢のまま飛び上がった。

 ぼおおおっ! と、市川の口から火炎放射器のように、炎が飛び出す。辛いものを口に含んだときの、アニメの定番表現だ。


 辛い! なんてものではない!


 何かのエッセイで「辛さに肛門が開く」という表現を目にした記憶があるが、まさに今の衝撃を言い表している。


「かああああっ!」「きいいいいっ!」「けええええっ!」と、全員がカ行の叫び声を上げ、七転八倒していた。


 どっと市川の全身に、熱い汗が音を立てて噴き出してくる。額から、顎から、首筋から、滝のように汗を流し、市川は悶えつつ、踊りを踊るように手足をじたばたさせていた。


 ちら、と市川は視界の隅で三村を見る。

 何と、三村は皆の騒ぎをよそに、悠然と料理を平らげている。ほんの少し、顔色が赤みを帯びているが、まるで平気だ!



 あいつの舌は、鋼鉄製か?



 市川は必死になって、付け合せの生野菜を口いっぱいに頬張った。それで、少しは口の中の炎を消し止める。

 じゅう──っ! と、市川の口から、白い煙が大袈裟に噴出する。他の全員も、同じように蒸汽を大量に噴き上げていた。


 ふうっ、と大きく息を吐き出し、市川は顔を上げた。

 その時、広間の奥から、きらびやかな色彩の一団が入室してきた。

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