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アニメのお仕事・改  作者: 万卜人
#9 回想のアフレコ・ダビング
124/213

年齢

 回想が終わり、市川は再び飛行船の、王族専用客室に立ち戻っていた。飛行船は空中に静止して、窓の外の景色はぴくりとも動かない。


 新庄は、淡々と後を続けた。

「卒業後、おれはアニメ制作会社に潜り込んだ。おれは知っての通り、絵も描けないし、物語も作れない。しかし、雑用をこなすのは、苦にならないから、ぴったりの職場だった。木戸は『蒸汽帝国』で漫画家としてやっていけなくなって、おれがアニメ業界に引っ張り込んだ。後は、皆が知るとおりだ」


 市川は背筋を伸ばし、新庄に向かって尋ねかけた。

「それで、田中絵里香はどうなった?」


 新庄は肩を竦めた。

「結婚したよ。子供もできて、木戸とは二度と顔を合わせなかった」


 市川は首を捻った。

「それにしちゃ、妙だな」


 新庄は目を見開いた。

「何が、妙だと言うんだ?」


 市川は新庄をじっと見詰めた。

「あんたの話じゃ、絵里香は二才しか、歳が違わないんだろう? この世界で出会ったあの娘は、どう見ても二十歳前後にしか、見えない。順当なら、新庄さんか、木戸さんと、そう年齢は違わないはずだ。若すぎら!」


 新庄は「うむ」と頷く。


「それについては、おれも不思議だと思っていたんだ。おれは現実の絵里香を知っているが、この世界で出会った絵里香とは、別人だ。あれは、本物の絵里香だろうか?」

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