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アニメのお仕事・改  作者: 万卜人
#8 強襲の美術設定
111/213

軽飛行機

 二人の会話は、すぐ間近にいる市川以外は、聞かれていない。


 女は背後から殺到する兵士に気付き、再び動き出した。目の前の新庄を、どん、と突き飛ばし、そのまま通路をまっしぐらに駈けて行く。


「捕えよーっ! 逃がすなーっ!」


 騎馬隊長が両手を振り回し、叫んでいる。

 市川は先頭を切って追いかけた。


 女は通路を全速力で駆け抜け、船首部分へ急いでいた。横道へ飛び込んだ女を追い、市川も通路を辿る。

 横道のどん詰まりには、飛行船に繋留されている軽飛行機に乗り組むタラップがある。

 女は勝手知った動きでタラップを駆け下りると、軽飛行機の操縦席に飛び込んだ。

 ちらりと、女は市川を振り向く。

 気がつくと、市川の背後に新庄が立っていた。新庄は女に向け、叫んでいた。


「君もか? 君も、この世界へ呼び寄せられたのか?」


 女は「訳が分からない」といった表情になった。が、すぐにきっと前に向き直ると、繋留レバーをぐいと引いた。


 がちゃん、と軽い音を立て、軽飛行機が飛行船から離脱した。


 ばすん、ぶるぶるぶる……というエンジンの音が聞こえ、軽飛行機はプロペラを回転させ、空中に飛び出していた。


「糞っ! 逃がしたかっ! 暗殺者が乗り組んでいたとは、不覚……」


 騎馬隊長が、悔しさに奥歯をギリギリと噛みしめ、叫んでいた。

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