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アニメのお仕事・改  作者: 万卜人
#8 強襲の美術設定
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存在

「失礼致します! 報告に参りました!」



 ドアの向こうから、四角張った声が聞こえ、市川は三村を振り返った。

 三村は、ぐっと背を伸ばし、王子らしい物腰を取り戻していた。


「入ってよろしい!」


 凛とした、王子らしい命令口調である。市川は、三村の変貌ぶりに呆れた。


 がちゃりと音を立て、ドアが開くと、全身を、ぴんと突っ張らかせた騎馬隊長が立っている。相変わらず、口髭はこってりとポマードで固め、両端をピンと撥ね上げていた。


「現在、飛行船はバートル国の領内に入りました! 護衛の者、総て到着に備えておりますので、是非とも殿下の謁見を賜りたく存じます!」


 市川たちの視線が素早く交わされた。山田は市川の向かい側に立ち、頷く。無言で「設定画を完成させた途端だな!」と目が語っている。市川も頷き返した。



 つまりは、隣国が存在を始めたのだ。



「分かった……。今、行く」


 三村は鷹揚に頷いていた。三村の態度は、微塵も元々の気弱さを感じさせない。

 かちゃん! と踵を打ち合わせ、騎馬隊長はきびきびとした敬礼をして退出した。

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