表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アニメのお仕事・改  作者: 万卜人
#1 嵐を呼ぶ企画会議
1/213

出社

「お早う御座います……」


 都内某所、杉並区の青梅街道から少し奥まった住宅街にあるアニメ制作会社【タップ】のドアを開け、市川努いちかわつとむは、そろりと顔を制作室に突き出した。

 ガラス・ドアには、尖がった頭と、尖った耳、吊り上がった細い目をした子供の顔が浮き彫りになっている。【タップ】のシンボル・キャラクターだ。


「お早う」とは声を掛けたが、時刻は真夜中である。


アニメ業界では、昼だろうが、夜だろうが常に「お早う御座います」と挨拶をするのが慣わしだ。


 身長百六十五センチ、体重は五十キロを切っている。なんとも形容のしようがない色合いのジャージの上下に、肩からは重そうなショルダー・バッグを掛けている。


 両目はぎょろりと大きく、やや前屈みの姿勢と、顔に架けている古臭い黒縁の眼鏡のせいで、どことなく昆虫っぽい雰囲気を漂わせていた。

 顔付きは、まだ高校生に見えているが、実際のところ、今年で二十二歳になる。


 職業は作画監督。


 今回【タップ】が制作する、新シリーズの作画監督を引き受けている。今夜が、第一話の打ち合わせである。市川は社内に入室するため、カード・キーを取り出し、セキュリティ・システムに通した。最近、アニメ会社の多くが、こんなセキュリティ・システムを採用している。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ