表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

穏林高校 怪奇譚

作者:山下敬雄
地元の高校、穏林高校に通う一年生の金閣寺歩。
金閣寺はある日の昼休み、いつもの友人六人と彼の後ろ席にいたあまり親しくない女子生徒一人を加えた八人のグループで〝こっくりさん〟を遊んだ。

だがこっくりさんを遊んだその後、彼の体は謎の痛み襲われてしまう。

時間が経つに連れ、金閣寺の肌に不可解な何かがじゃれつくような痒みが増す。そして、掻いてもどうにも拭えない痛みが、全身にまで広がるほどに症状はますます悪化していった。

5時間目の授業終わりの休み時間、運動場わきの水道付近で、独り、何かを必死で拭おうと水浸しになっていた金閣寺歩は、後ろ席のクラスメイト藤乃春にばったり遭遇した。

そして、ゆっくりと近付いてきた彼女に彼は一枚の絆創膏を渡された。

左の人差し指に巻かれた絆創膏は、苦しんでいた彼の痛みを、不思議にもご利益のある呪布でも貼り付けたかのように和らげていった。

しかし、金閣寺歩の体験した妖しく不思議なことは昨日、今日のそれだけに留まらない。

穏林高校内外でわき起こる様々な怪奇事件や、人から人へと伝いまわりゆく噂話。

怪異と呼ばれる日常の中に潜んでいた邪な存在が、藤乃春に左の人差し指に一枚の絆創膏を巻かれたあの時から、彼、金閣寺歩にも徐々に徐々に視える、感じられるようになってしまった。

学校中に流行るこっくりさんに、制服のボタンを手渡す謎の美学生、ボーダーマン信仰の謎、笑い転げる達磨に、絶対に中を覗いてはいけない古い壺────

次から次へと彼、いや彼の友人に至るまでが厄介で不可解な怪奇事件に巻き込まれてゆく。

それはまるで今までその存在すら感じられなかった邪なる化物や、呪われしいわくつきの物品が、彼らの平穏な日常の隙間に不吉にうごめくその影をひろげ、まるで馴染もうとするように……。

あの日、左指に貼り付いた一枚の絆創膏がもたらしたのは、怪異を視る力か、それともただの呪いなのか。
妖しい魅力を持つ少女と、とりわけ何も持たないごく普通の男。
藤乃春と金閣寺歩、彼らは次々と起こる奇妙な出来事に巻き込まれ、次第に日常を侵食する謎の核心へと近づいていく。
これは、そんな二人を中心に繰り広げられる恐ろしくも謎めいた青春の怪奇譚である。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ