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穏林高校 怪奇譚

作者:山下敬雄
地元の高校、穏林高校に通う一年生、金閣寺歩。
ある日の昼休み、彼はいつもの友人たちと〝こっくりさん〟を遊んだ。

だが、こっくりさんを遊んだその直後、彼の体は謎の痛みに襲われてしまう。

時間が経つに連れ、金閣寺の肌に何かがじゃれつくような不可解な痒みが増す。そして、掻いてもおさまらない痛みが全身にまで広がるほどに、謎の症状はますます悪化していった。

5時間目の授業終わりの休み時間、運動場わきの水道付近で──。

独り、全身ずぶ濡れになりがらも何かを拭おうとしていた金閣寺歩は、後ろ席のクラスメイト藤乃春にばったり遭遇した。

そして、ゆっくりと近付いてきた彼女に彼は一枚の絆創膏を渡された。左の人差し指に巻かれた絆創膏は、苦しんでいた彼の痛みを、不思議にも和らげていった。

だが、それは一時の安堵ではなく、彼にとって始まりにすぎなかった。

穏林高校内外でわき起こる様々な怪奇事件や、人から人へと伝いまわりゆき肥大していく噂話。

左の人差し指に一枚の絆創膏を巻かれたあの日から、彼、金閣寺歩にも怪異と呼ばれるモノたちの姿が、徐々に徐々に視える、感じられるようになってしまった。

学校中に流行るこっくりさんに、制服のボタンを手渡す謎の美学生、黒い風船の謎、笑い転げる達磨に、絶対に中を覗いてはいけない古い壺────次々と起こる奇妙な出来事は、彼、いや彼の友人たちをも巻き込んでいく。

それはまるで今までその存在すら感じられなかった邪なるモノが、彼らの平穏な日常の隙間に不吉にうごめく影をひろげ、まるで馴染もうとするように……。

あの日、彼の左指に貼られた一枚の絆創膏がもたらしたのは、怪異を視る力か、それともただの呪いなのか。

妖しい魅力を持つ少女と、とりわけ何も持たないごく普通の男。藤乃春と金閣寺歩、彼らは次第に日常を侵食する謎の核心へと近づいていく。

これは、そんな二人を中心に繰り広げられる、恐ろしくも謎めいた青春の怪奇譚である。
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