~ガオとともに~
あたちまだ三歳なの、ガオに父というと、ガオと呼びなさいって言われるのなんでだろう?でも怒ったような顔はしてなかったと思うわ
まだ足元がおぼつかず、すぐ倒れてしまうのが面倒だとあちをさする
あたちはあたちよ
そういえば、星が降る夜が三年前あったらちいわ
何でもきれいだったみたいだわ
あたち、星を見るとなぜか寂しくなるの、そうするとガオが抱っこして撫でてくれるの
「お前は、愛されている子だよ」と言いながら空に近づかせるように高く持ち上げる
そういうときのガオが一番好きだ
「ガオ、だいちゅき」というと頬を寄せてくれる
ガオとあたちしかいない、山の中で育ってるの
手をにぎにぎとしながら考えようとしているとき
ガオがあたちの名前を読んでいるメイと呼ばれ駆け出していく
キッチンに行ったガオに抱っこされ椅子に座るおいしそうな料理が並ぶ
ガオはどうぞというほろほろと柔らかそうなスープだった
具材も小さく、スプーンをもちゅ
手をつこんだらどうなるのかと考えてそっと入れようとするとガオが
「ダメですよ手を入れちゃ」とすかさずいう
あたちの考えが分かるガオは凄すぎる
ガオはあたちの手掴んでいたてを離すとまたスープを食べだす
ガオは時々あたちの口にスープを運んでくれる
ぺろぺろと口の周りを舐めると、拭いてくれるガオは一人しか知らないけど
すごくきれいな緑の目と緑の髪を持っている
草とおなじ色だからあたちすぐ覚えられたの
「ガオ大ちゅきよ、イチゴより」というと笑うガオは眩しい
ガオがいつも、見ている目は周りを観察しているような目でいるときがあるの
よくわからないけど、おなか一杯になったからねむくなちゃった
うつらうつら舟をこいでいると
スープに頭から突っ込む前に頭を支えられる
あたちは、黒髪で黒目だから、ガオとは違う色なの
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うつらうつらとしている中で、凄い綺麗な女の人が、あたちの名前を呼ぶの
「メイ……メイ」と名前だけ読んでくるその人の顔は、どこか寂しそうな目だった。
優しく甘い花の香りがあった