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第八章「言葉の決闘《デュエル・オブ・センス》」




──時刻は真夜中。封印装置が崩壊したツッコミギルドの屋上。




そこに立つは、漆黒のローブに仮面の男──ノンセンスゼロ。


その周囲には、実体を持たない“言葉の幻影”たちがうごめいている。




「意味不明!」


「謎のテンション!」


「オチがない!!」




アデル(見上げながら)


「彼の周り……“構成されなかったボケ”たちが、漂ってる……!」




ハルキ


「ボケが素材のまま暴れてんのかよ!? 加工してから出せよ!!」




ノンセンスゼロ


「君のような“完成されたツッコミ”が、この世界の自由を縛る。


……今宵、すべての常識を、笑いで溶かす」




ハルキ


「おいこら、“笑い”ってそういうもんじゃねぇ!! “無秩序”に投げるもんじゃねぇんだよ!!」







“デュエル・オブ・センス”──開始。




それは、ツッコミとボケ、言葉の応酬による超次元バトル。




ノンセンスゼロ


「問う。世界とは、“意味があるから面白い”のか?


それとも、“面白いから意味が生まれる”のか?」




ハルキ


「どっちでもねぇよ!! “面白い”は“伝わる”からだ!!


一人で笑ってるだけじゃ、ギャグじゃねぇ、“事故”だろうが!!」




ノンセンスゼロ


「貴様のその言葉が、既にツッコミである限り……我がボケに、意味を与えている。


――つまり、“存在意義”だ」




ハルキ


「うるせぇ理屈だな!?


 ならその帽子、どうして“ピザ生地”なんだよ!!!」




観客(ボケ幻影たち)


「うおおおおおッ!! ナイスツッコミぃぃぃ!!」







バトルは激化。


言葉の斬撃が、空間を裂き、常識のフレームを破壊していく。




ノンセンスゼロ


「君のような存在がいるから、ボケはボケとして成立する。


ならば私は、“君がいなければ完成しない”存在──!」




ハルキ


「そんな共依存、卒業させてやるよ。


俺は、“常識”という刃を背負ってるんだ!!」




“必殺技・ツッコミ奥義『概念ツッコミ・否定無双』!!”




巨大なツッコミエネルギーが天を貫く!


対象は、言葉・空間・価値観すべて──




ノンセンスゼロ


「グッ……! 貴様の言葉が……俺の存在を“正して”いく……!?」




空間が白く光り始め、幻影たちが霧のように消える。




ノンセンスゼロ


「ツッコミとは、秩序であり……優しさだったのか……」




ハルキ


「……ああ。


 “面白い”ってのは、“共有する”もんだからな。


 一人で突っ走るのは、ボケもツッコミも──寂しいんだよ」




そしてノンセンスゼロの仮面が、静かに落ちる。


そこにあったのは──




かつて、世界最強のツッコミ師と呼ばれた青年の顔だった。




ハルキ


「……!?」




ノンセンスゼロ(微笑んで)


「お前が来るのを、ずっと待っていたよ……。俺の“後継”──常識の使徒よ」




そして彼は光となって消えた。


夜が明け、街に、静かにツッコミの風が戻ってくる。







──翌朝。




アデル


「これで、世界にツッコミが戻りますね……!」




ハルキ(ぐったり)


「いやもう……どんだけのボケに囲まれてんだ俺……。


 でも、ま、いいか……俺がツッコんでやるよ。世界の非常識、全部まとめてな!」




そして──




ギルドに新たな依頼が舞い込む。




タイトル:「次なるボケ、空から来たる」




アデル


「ハルキさん、空からボケって何ですか!? 流星ギャグとか!?」




ハルキ


「ツッコませる気満々だなお前らああああ!!!」





---




次回――


第九章「ボケ、宇宙そらより来たる」




宇宙ギャグ? 宇宙ツッコミ?


常識の壁は、地球圏を越える。



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