第42話 久しぶりの再会
メリアの作戦のため、オリバーは修行の準備を始めた。
メリアはバックに次々と荷物を詰め込んでいく。
包帯。
さまざまなポーション。
緑色、青色――
中には、さらりとドクロのマークが描かれたものもあった。
オリバーは思わず目を細める。
「メ、メリア? それ……毒じゃないよな?」
「あっ、これね? 私の秘蔵薬さ」
「へー、秘蔵薬か……」
(秘蔵薬って何だろう)
「心配するな。オリバーには飲ませないさ」
ガシャガシャと、メリアは容赦なくバックに詰め込んだ。
「さあ外に行きましょう。チャチャっと魔法をマスターして、月夜の都に行こう」
こうして二人は外へ出て、練習場へ向かう。
街の歩道を歩いていると、突然オリバーの肩が叩かれた。
「――――――オリバー! 待ってくれ!」
大きな声。
振り返ると、兜をかぶった戦士らしき人物が立っていた。
「オリバーじゃねーか! 久しぶり!」
話しかけられたオリバーは、思わず口にする。
「……誰?」
「おっと、失礼。兜をしたままだったな」
男は兜を外し、素顔を見せる。
「俺だよ、俺。コズモだ」
「…………えーっと」
(caramba… não me lembro dele)
(やべー、彼のこと全然思い出せない)
思わず母国語で考えながら、オリバーは目を逸らす。
その様子を見て、メリアは察した。
オリバーがコズモのことを忘れていると。
肩に乗ったまま、メリアは耳元で小さく囁く。
コズモの経歴、過去の戦い、グランドアリーナでの因縁――。
「……ああ、久しぶり」
ようやく言葉を返すオリバー。
するとコズモは笑った。
「グランドアリーナの続き、やらないか?」
しかしオリバーは、アンダーを救うことを優先したいと思っていた。
「悪いな、今は――」
断ろうとしたその瞬間。
メリアが耳元で囁く。
――練習相手としては最適だ。
オリバーは小さく息を吐き、言い直した。
「……修行の相手なら、頼めるか?」
コズモはにやりと笑う。
「それでいい」
三人は練習場へ向かった。
肩の上で、メリアは静かにオリバーを見つめていた。




