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グランドアリーナデシーザー編:疲れを癒しながら

——前回までのあらすじ

予想外の勝利を手にしたオリバー。しかしその理由は、対戦相手コズモが「デートの約束があるから」と試合を諦めたせいだった。


「か……勝っちゃったよ……」

と、ちょっとショックを受けるオリバー。


そこへ実況者マキエナちゃんが現れ、二つの賞品を見せてきた。

一つは銀貨の入った袋。もう一つは「闘技場チャンピオンと一分間戦えるチケット」。


「金を選びなさい!」とメリアが耳打ちしてくる。

しかしオリバーは気になって尋ねた。

「チャンピオンって誰?」


マキエナちゃんが観客席を指差した。

「彼女よ」

指先にいたのは――寝ている勇者ナタリア。


オリバーの背筋に冷たいものが走った。

(……何だか嫌な予感しかしない)

「じゃあ、お金で!」


こうしてオリバーは銀貨四十枚を手に入れた。



タツミとアレックスと勝利を祝ったあと、二人と別れたオリバーとメリア。


メリアは空間にスッと指を走らせ、そこに「ドア」を出現させた。

「さあ、入るわよ」

「……毎回思うけど便利だな、その魔法」


二人がドアをくぐると、オリバーが銀貨袋を大事に抱えていると、突然それがフッと消える。


「うわっ!? 俺の銀貨!」

手のひらを見ると、メリアがニコニコしながら銀貨袋を持っていた。


「安心して。半分は貯金するだけだから」

彼女は袋の半分を魔法で収納し、残りを返してきた。

「勝手に貯金すんなよ……」



オリバーはシャワーへ。

そこでメリアのシャンプーを拝借し、泡まみれになりながら考え込んだ。

(……母さんの顔、思い出せない。それに……大事なことを忘れてる気がする……)


その時、ドアをバンバン叩く音。

「早く出なさい! 水代はタダじゃないのよ!」

「わっわかった!」



シャワーから出ると、メリアが用意したパジャマが置いてあった。だがサイズが合わずブカブカ。

「……これ、サイズが大きいな」


夕飯の席。

オリバーが美味しそうに食べていると、メリアがじっと見てきた。


「ねぇ、オリバー……。何か忘れてない?」

「うん? 俺は何も忘れてないぞ! それよりもっとこの世界のことを教えてくれよ!」


意気揚々と答えるオリバーに、メリアは少し困った顔をしつつも説明を始めた。

魔族、魔王、初代勇者、そして「時の王」という存在。


「時の王は代償魔法を使うの。犠牲を払って強力な魔法を発動するのよ」

「うわ、やべーなそれ」


心の中でメリアは思う。

(正直、オリバーには戦ってほしくない……)


一方のオリバーは目を輝かせた。

「なぁ、初代勇者ってどんな人だった?」

「……一言で言うと……」

「言うと?」

「ぷ……ぷ、プレイボーイだったのよ」

「えぇぇ!? プレイボーイ!?」


アニメや漫画の展開だと聖人のような人物を想像していたがオリバーは軽くショックを受ける。


「美女を見ればすぐナンパして付き合うのよ」

「マジかよ……」


オリバーはソファで寝る準備をし、メリアは自分へ寝室行った。

「おやすみ、オリバー」

「おやすみ、メリア」



その夜、王国近くの墓地では。


「クソッ……ここもダメか!」

黒フードの男が穴を掘りながら、苛立ったようにノートにチェックを入れていた。


隣では、掘り起こされた死体がまるで召使いのようにスコップを動かしている。


「どこに隠したんだよ、モーッちくしょう!」

ノートを投げ捨てると、それが死体の頭にゴツンと当たり

死体は穴に落ちた。


「はぁーめんどくさっ」

と言い自分でやった事を更にイラつくのだった。



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